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12月13日-一般質問及び質疑(一般)-04号

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  1. 福島県議会 2022-12-13
    12月13日-一般質問及び質疑(一般)-04号


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    最終取得日: 2023-06-08
    令和 4年 12月 定例会令和4年12月13日(火曜日) 午後1時1分開議 午後4時7分散会議 事 日 程   午後1時開議 1、日程第1 県の一般事務に関する質問 2、日程第2 知事提出議案第1号から第69号まで        付議議案に対する質疑本日の会議に付した事件 1、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第69号  までに対する質疑出 席 議 員     1番 佐 藤 徹 哉 君    2番 佐々木 恵 寿 君     3番 山 内   長 君    4番 渡 辺 義 信 君     5番 渡 辺 康 平 君    6番 鈴 木 優 樹 君     7番 渡 邊 哲 也 君    8番 真 山 祐 一 君     9番 三 村 博 隆 君   10番 荒   秀 一 君    11番 橋 本   徹 君   12番 大 場 秀 樹 君    13番 大 橋 沙 織 君   14番 江 花 圭 司 君    15番 水 野   透 君   16番 山 口 信 雄 君    17番 佐 藤 郁 雄 君   18番 佐々木   彰 君    19番 坂 本 竜太郎 君   20番 佐 藤 義 憲 君    21番 伊 藤 達 也 君   22番 渡 部 優 生 君    23番 三 瓶 正 栄 君   24番 椎 根 健 雄 君    25番 佐久間 俊 男 君   26番 吉 田 英 策 君    27番 高 宮 光 敏 君   28番 宮 川 政 夫 君    29番 先 﨑 温 容 君   30番 佐 藤 雅 裕 君    31番 遊 佐 久 男 君   32番 鈴 木   智 君    33番 矢 吹 貢 一 君   34番 安 部 泰 男 君    35番 紺 野 長 人 君   37番 髙 野 光 二 君    38番 宮 本 しづえ 君   39番 宮 川 えみ子 君    40番 星   公 正 君   41番 山 田 平四郎 君    42番 佐 藤 政 隆 君   44番 西 山 尚 利 君    45番 今 井 久 敏 君   46番 古 市 三 久 君    47番 高 橋 秀 樹 君   48番 宮 下 雅 志 君    49番 神 山 悦 子 君   50番 長 尾 トモ子 君    51番 満 山 喜 一 君   52番 太 田 光 秋 君    53番 佐 藤 憲 保 君   54番 青 木   稔 君    55番 亀 岡 義 尚 君   56番 宗 方   保 君    57番 西 丸 武 進 君   58番 瓜 生 信一郎 君欠 席 議 員    36番 円 谷 健 市 君   43番 小 林 昭 一 君説明のため出席した者 県       知     事  内 堀 雅 雄  君       副  知  事  鈴 木 正 晃  君       副  知  事  井 出 孝 利  君       総 務 部 長  安 齋 浩 記  君       危 機 管理部長  渡 辺   仁  君       企 画 調整部長  橘   清 司  君       生 活 環境部長  久 保 克 昌  君       保 健 福祉部長  國 分   守  君       商 工 労働部長  小笠原 敦 子  君       農 林 水産部長  小 柴 宏 幸  君       土 木 部 長  曳 地 利 光  君       会 計 管 理 者  金 子 市 夫  君       出納局長(兼)  金 子 市 夫  君       風評・風化戦略  白 石 孝 之  君       担 当 理 事       原子力損害対策  白 石 孝 之  君       担当理事(兼)       企 画 調 整 部  松 本 雅 昭  君       避 難 地 域       復 興 局 長       企 画 調 整 部  永 田 嗣 昭  君       文 化 スポーツ       局     長       保 健 福 祉 部  鈴 木 竜 次  君       こども未来局長       商 工 労 働 部  市 村 尊 広  君       観 光 交流局長       総 務 部政策監  高 橋 憲 億  君       知 事 公 室 長  宍 戸 陽 介  君 総  務  部       秘 書 課 長  山 内 建 史  君       総 務 課 長  濱 津   篤  君       総 務 部 主 幹  髙 橋 保 明  君 企  業  局       企 業 局 長  山 寺 賢 一  君 病  院  局       病院事業管理者  阿 部 正 文  君       病 院 局 長  三 浦   爾  君 教 育 委 員 会       教  育  長  大 沼 博 文  君 選挙管理委員会       委     員  瀬 田 弘 子  君       事 務 局 長  半 澤 浩 司  君 人 事 委 員 会       委     員  千 葉 悦 子  君       事 務 局 長  鈴 木   勉  君 公 安 委 員 会       委     員  江 尻 陽 子  君       警 察 本 部 長  児 嶋 洋 平  君 労 働 委 員 会       事 務 局 長  吉 成 宣 子  君 監 査 委 員       監 査 委 員  佐 竹   浩  君       事 務 局 長  宇佐見 明 良  君 議会事務局職員       事 務 局 長  伊 藤 直 樹  君       事 務 局 次 長  長 塚 仁 一  君       総 務 課 長  飛知和 好 夫  君       議 事 課 長  長谷川 利 嗣  君       政 務 調査課長  金 澤   泉  君       議事課課長補佐  富 塚   誠  君       議事課主任主査  武 藤 久美子  君       兼 委 員会係長    午後1時1分開議 ○議長(渡辺義信君) 開議に先立ち、43番小林昭一君より本日及び明日欠席の届出がありますから、御報告いたします。 ただいま出席議員が定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。 △県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第69号までに対する質疑 ○議長(渡辺義信君) 直ちに日程に入ります。 日程第1及び日程第2を一括し、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第69号まで、以上の各案に対する質疑を併せて行います。 通告により発言を許します。17番佐藤郁雄君。(拍手)    (17番佐藤郁雄君登壇) ◆17番(佐藤郁雄君) 自由民主党議員会佐藤郁雄です。12月定例会においてトップバッターとして一般質問させていただく機会をいただきましてありがとうございます。 県議会議員になってから3年が過ぎました。県議の任期は来年11月19日までとなっています。残りの期間、さらなる県政発展のため、県民の安心・安全の生活のため、一生懸命頑張って活動していきます。 来年春の福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出について理解が広がるよう取り組み、来年4月に誕生する福島国際研究教育機構については、県内各地域との連携を図り、原油価格・物価高騰に対する対策にもしっかり取り組んでまいります。 最後に、第8波が広がっている状況です。県民の皆様、医療機関への負担軽減のため、適切な救急医療の利用をお願いいたします。 では、質問に入ります。 災害時の対応について、まず初めにマイ避難の取組について質問します。 災害は、いつどこでどのような規模で発生するか分かりません。災害発生時には避難所などへ速やかに避難することが重要ですが、やむを得ない場合の垂直避難なども想定し、常日頃から訓練を実施することが重要となります。 避難の際、注意しなければならないのは車の使用です。多くの人が車で逃げると、渋滞が発生するリスクが高まりますが、高齢で身動きの取れない人が家にいるなど、どうしても車で逃げなければならない人もいます。 また、昼間は家庭ではなく職場の同僚と一緒の時間が長いという人が多く、仕事中に地震が発生し、津波警報が発令されたらどう行動するのか、職場単位で対応を話し合い、避難場所などを決めておくことも重要です。 そこで、自然災害から命を守るため、マイ避難の取組をさらに推進すべきと思うが、知事の考えを伺います。 次に、アレルギー対応食の備蓄について質問します。 国は、今年6月に修正した防災基本計画において、被災自治体食物アレルギーに配慮した食料の確保に努めることを努力義務として新たに規定しました。 災害時、食物アレルギーを持つ避難者が避難所でアレルギー原因物質が含まれていることが分からずに提供された食事を誤って食したり、提供される食料のアレルギー対応に不安を感じるために避難をためらうようなケースを防ぐためには、各自治体において食物アレルギーを持つ方も安心して避難できるような準備を進めていく必要があります。 そこで、県は災害に備え、食物アレルギーに配慮した食料の確保についてどのように取り組んでいるのか伺います。 次に、災害時のトイレ確保について質問します。 災害時、被災した皆さんは避難先の学校などに到着し、落ち着きを取り戻すとトイレの利用を始めようとしますが、トイレが使用できない場合もあり、仮設トイレは道路の寸断により避難所に行き渡るのに時間がかかるおそれがあります。 また、女性、障がい者や高齢者のことも考えた環境整備が必要です。劣悪なトイレ環境は健康にも影響し、感染症のリスクも高まるとともに、避難者が水分の摂取を控えることによる健康のリスクも高まります。 一般社団法人日本トイレ協会の調査では、災害時のトイレ対策について特に定めていない自治体が調査に回答した341自治体のうち34%に上ります。 また、文部科学省の調査では、避難所に指定されている全国の公立小中学校のうち、断水時にもトイレを使える機能を保有していない学校が4割を占めています。避難者が安心してトイレが使える環境を整えていかなければ、避難所での健康被害は防止できません。 そこで、県は災害時の避難所におけるトイレの確保にどのように取り組んでいるのか伺います。 次に、復旧・復興に対する職員の確保について質問します。 東日本大震災から11年9か月が経過しましたが、本県の復興はいまだ道半ばであります。 また、令和元年東日本台風災害、さらには昨年、本年と二度にわたり福島県沖を震源とする地震災害に見舞われるなど、近年自然災害が頻発、激甚化しております。 こうした震災や台風災害等からの復旧・復興を迅速かつ確実に進めていくには、必要な職員を確保することが重要であると考えます。 そこで、災害からの復旧・復興に対応する職員の確保について、県の考えを伺います。 子育て支援の強化について。 本県でも少子化が進む一方で、核家族化の進行や共働き家庭の増加などにより、保育ニーズは高い状況にあります。保育の無償化や保育所等の施設整備が進み、待機児童は減少傾向にありますが、いまだ解消には至っていません。未来を担う子供たちを健やかに育むためには、安心して子育てできる環境づくりを社会全体で一層推進していくことが重要です。 そのためには、子育て中の親が子供を預けられる環境の整備や相談、助言を受けられる場の提供など、子育て世帯の声を反映させた施策を進め、家庭の負担軽減を図るとともに、保育所や放課後児童クラブ待機児童の問題の解決に向け、受皿や人材の確保も必要であると考えています。 そこで、県は子育て支援の強化にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、ヤングケアラーの支援強化について質問します。 ヤングケアラーについては、子供が行う世話や家事にいわゆるお手伝いも含まれかねないなど、定義が明確でないため、具体的な支援を行う際にヤングケアラーを的確に把握することができず、支援漏れが生じることが懸念されます。 県は今年度、県内全ての小学5年生から高校3年生までの約12万人を対象に実態調査を実施し、その結果を基に検討を行い、市町村との役割分担を図りながら支援を行っていくとのことですが、ヤングケアラーが学校生活や遊びなど子供らしい生活を送ることができるよう、支援が必要な子供の実態を的確に把握し、支援につなげていく必要があります。 そこで、県はヤングケアラーの実態把握と支援にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、育児で困難を抱える家庭の支援について質問します。 保育所や幼稚園に通っていない小学校就学前の子供のうち、育児で困難を抱える家庭について、政府が初の本格的な対策に乗り出します。 先進的な取組をしている自治体や民間団体への聞き取りを進めていくとのことですが、無園児は全国で2019年度、約182万人に上るとの推計が公表されています。 懸念されるのは、貧困や障がい、疾病、外国籍であることなどが要因となり、就園できずに社会から孤立し、家庭だけで問題を抱え込むことで育児放棄や虐待などのリスクが潜在化します。 誰からも手を差し伸べてもらえず孤立する社会構造的な問題が無園児の裏にあります。取り残された家庭に支援を届けられる人材や組織の育成が不可欠です。 そこで、県は育児で困難を抱える家庭の支援にどのように取り組んでいるのか伺います。 次に、面前DVについて質問します。 子供の前で家族に暴力を振るう心理的虐待面前DVの深刻度の高い事案を見極めるため、リスクを判別しやすくすることで重点対応すべき事案の見落としを防ぎ、児童相談所の負担も軽減する狙いで、悪化や再発のリスク要因に応じた分類を設けるとしています。 令和3年度、本県において児童虐待相談に対応した件数は1,985件と令和元年度に次いで過去2番目に多く、引き続き高止まりの傾向にあります。 そのうち心理的虐待は1,374件と全体の約7割を占め、その大半がいわゆる面前DVと言われる子供の目の前で家族が暴力を受けた事案であり、子供を取り巻く状況は極めて深刻であると考えます。 面前DV事案に対しましては、児童相談所児童福祉司などが子供の安全の確認に加えて家族関係の修復など、再発のリスクを低減させながら必要な取組を迅速に行う必要があります。 そこで、県は家庭内におけるDVを目撃した子供の心理的虐待にどのように対応しているのか伺います。 医療体制の充実について。 看護職員業務負担の軽減について質問します。 医師の働き方改革で、令和6年4月から医師の時間外労働にも上限規制が適用されます。医師の時間外労働を減らすことは、医師の健康面だけでなく安心・安全な医療提供を確保するためにも重要ですが、医師の確保が課題の本県では、地域の医療機関の診療に影響が出ないよう丁寧に取組を進めることが必要です。 県では、医師会等の関係機関や社会保険労務士等専門家の協力を得ながら各医療機関を直接訪問し、宿日直許可の取得や医師の労働時間短縮に向けた取組を支援していると伺っております。 県には、医師の働き方改革が地域の大切な医療に影響を与えることがないよう、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 一方、医師の働き方改革が進み、医師の労働時間が短縮されると、その分のしわ寄せで看護職員の負担が増えるのではないかとの懸念の声も聞かれます。並行して看護職員業務負担を軽減するための取組が必要です。 そこで、県は看護職員業務負担の軽減にどのように取り組んでいるのか伺います。 次に、潜在看護師復職支援について質問します。 現在、病院や診療所、訪問看護ステーションなどで働いている看護職員は約166万人いますが、団塊の世代が全て75歳以上になる2025年には188万人から202万人が必要との試算もあり、看護職員の養成・確保に向けた取組は着実に進めていく必要があります。 とりわけ重要なのは、看護職員として働き始めた方にできるだけ長くその職場で働き続けていただくことと、離職防止に向けた取組です。 以前の議会でもお話しさせていただきましたが、特に新人看護職員については仕事の面だけでなく、心理的な面からもサポートをしていかなければなりません。 一方、免許を持ちながら現場を離れている看護師、いわゆる潜在看護師は71万人との推計もあり、この方々に戻ってきていただければ、現在新型コロナウイルスへの対応で御苦労されている医療機関の大きな助けになると考えますが、長期間現場を離れていることで、たとえその意思があったとしても、戻ってしっかり働けるのか不安を感じ、ちゅうちょされる方も多いのではないかと思います。 仮に離職してしまっても、また看護職員として現場に戻ってきてもらえるよう、復職を支援していくことが重要です。 そこで、県は看護職員復職支援にどのように取り組んでいるのか伺います。 次に、がん検診受診率向上について質問します。 数値目標が評価可能な108項目のうち、昨年度までに達成率が8割を超えたのは健康寿命の延伸など23項目で、全体の21%にとどまり、2018年度に取りまとめた中間評価の35%に比べ、14ポイント減少しています。 特に、がん検診に関する項目で改善が鈍い傾向でした。がん検診の受診率は2020年度、いずれも50%未満と落ち込んでいます。 県は、この結果を見て分析を進め、次期計画に反映させなくてはいけません。県は、各市町村への任せ切りの検診を改めるべきであると思います。 そこで、県はがん検診受診率向上にどのように取り組んでいくのか伺います。 人材定着について。 地元への定着後押しについて質問します。 県内の高校を卒業して就職した人のうち、県内企業の内定を表す県内留保率は82.7%と、記録が残る過去15年で最も高くなりました。 新型コロナウイルス感染症の長期化で地元志向が強まっていると見ている県は、若手人材を県内にとどめるために早期離職の防止に関する取組に注力しています。 専門家も、行政を中心とした異業種間での合同研修会の開催など、同年代の交流を通した人材育成の必要性を指摘しています。 県は、新規高卒者早期離職防止にどのように取り組んでいくのか伺います。 農業振興について。 食料自給率について質問します。 ウクライナ危機による小麦価格の高騰が食料を輸入に頼る我が国のリスクを改めて浮き彫りにしました。政府は、食料自給率向上に一段と注力すべきです。 農林水産省の発表によると、2021年度の食料自給率カロリーベースで38%です。食料自給率は、1965年度は73%でしたが、その後は安価な輸入原材料、食品に依存する傾向が強まり、直近の12年間は40%を割り込む状態が続いています。 このままでは、2030年度までに自給率45%という政府目標の達成は容易ではなく、自給率が高い米についても、米粉を使った商品開発などによる消費拡大が必要なほか、担い手の減少と高齢化、耕作放棄地の増加といった課題への対応も急務となっております。 畜産物も消費が増え続けていますが、肉の半分を輸入に頼っているだけでなく、飼料の8割近くを外国産で賄っています。食品廃棄物の飼料への活用や飼料用米の推進も欠かせない状況です。 そこで、県は食料自給率の向上に向け、どのように取り組んでいくのか伺います。 次に、県オリジナルイチゴ「ゆうやけベリー」について質問します。 9月に名称とロゴデザインが発表されたイチゴの新しい品種「ゆうやけベリー」は、県が10年の歳月をかけ開発したオリジナル品種であり、酸味が控えめで甘さが際立ち、香りが強いという食味のよさを有し、形がよく、だいだい色を感じさせる鮮やかな赤色が特徴であると聞いております。 また、栽培面では、年内の収穫量が多いことからクリスマスや年末年始の需要期に出荷が可能となり、生産者や消費者の期待も高まっています。 そこで、県は県オリジナルイチゴ「ゆうやけベリー」の販売促進にどのように取り組んでいくのか伺います。 観光振興について。 地域の食を生かした観光誘客について質問します。 観光庁は来年度、地方の旅館やホテルを対象に、地元の食材を使った食事の考案などを支援する事業を始めます。 また、地元食材で集客に成功している旅館やホテルの事例集も作成し、取組の参考にしてもらうとしています。 自然に恵まれた福島県には、新鮮な野菜や果物、海産物、日本酒など魅力的な食が数多くあります。県は、各地域の食を生かし、観光誘客を図ることで地域経済の効果を上げていくことが必要と考えます。 そこで、県は地域の食を生かした観光誘客にどのように取り組んでいくのか伺います。 教育について。 不登校の児童生徒について質問します。 令和4年10月に公表された文部科学省の調査によりますと、本県の小中学校における不登校児童生徒数は2,918人であり、前年度から525人増加しております。 県教育委員会では、不登校児童生徒の増加の背景に新型コロナウイルス感染拡大による学校活動の制限や家庭での生活環境の変化があると分析していますが、不登校に陥る要因や背景は複合化、多様化しており、児童生徒1人1人が社会的自立を成し遂げるためには、誰1人置き去りにされない、安心して学べる環境をつくることが大切であると考えます。 そこで、県教育委員会公立小中学校における不登校の児童生徒にどのように対応しているのか伺います。 共生社会の実現について。 企業に義務づけられている障がい者雇用の割合について、障がい者雇用促進法では、従業員数が43.5人以上の企業は障がい者を1人以上雇用しなければなりません。 これを下回った場合は、不足人数に応じた納付金を国に支払わなければなりませんが、今回、週10時間以上20時間未満の精神障がい者らを新たに加えるとの意見書が出されました。 障がい者雇用は、障がいの有無に関係なく、誰もがその意欲や能力に応じ、職業を通じて社会参加できる共生社会の実現につながります。 県は、民間企業における障がい者の雇用促進にどのように取り組んでいくのか伺います。 最後に、介助犬の普及について質問します。 体の不自由な人の手足となって日常生活をサポートしてくれる介助犬は、障がいのある方の社会参加を後押しするパートナーとして期待されています。 しかしながら、厚生労働省によると、令和4年4月現在、全国では58頭が実働しているだけで、本県では現在ゼロです。介助犬は、盲導犬に比べて歴史が浅く認知度が低いこと、1頭を養成するのに約240万円から300万円の費用が必要となることなどが普及が広がらない要因です。 介助犬は無償貸与のため、育成機関は企業や個人からの寄附で活動費の大半を賄っています。多くの人が介助犬について理解し、関心を持つことで支援の輪を広げ、多くの人の協力で育てていくことが必要です。 そこで、県は介助犬の普及にどのように取り組んでいるのか伺います。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(渡辺義信君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。 マイ避難のさらなる推進についてであります。 地震や台風などの災害から命を守るためには、日頃から災害を自分事と捉え、自分や家族等の避難行動について考え、備えておくマイ避難の取組が重要であります。 今年8月、会津北部を中心に大雨による甚大な被害が発生しました。私は、被災した高齢者施設の職員の方から、施設1階が浸水し、大きな被害が生じた一方で、2階、3階への垂直避難を行い、入所者全員を無事避難させることができたと伺いました。 この施設では、車両による避難が困難な場合に備え、垂直避難を想定したマニュアルを作成し、定期的に避難訓練を実施されており、改めて命を守るために取るべき行動についてあらかじめ考え、備えておくマイ避難の重要性を強く感じたところであります。 県では、マイ避難ノートの全戸配布をはじめ様々な媒体を活用した広報、学校や家庭、自治会等を対象にした出前講座などを通じてマイ避難の推進に取り組んでおります。 さらに、一昨日、郡山市において市町村や消防など関係機関と連携して防災イベント、そなえる・ふくしまを初開催し、私自身がマイ避難の実践を呼びかけました。 今後とも、県民の皆さん、市町村、関係機関と一体となって防災意識の向上を図り、災害から大切な命を守るため、マイ避難の取組をより一層推進してまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。    (総務部長安齋浩記君登壇) ◎総務部長(安齋浩記君) お答えいたします。 復旧・復興に対応する職員の確保につきましては、震災以降、正規職員や任期付職員の採用をはじめ他県等応援職員の受入れや再任用職員の活用など多様な方策により、技術職員も含め必要な人員の確保に努めてきたところであります。 今後とも、復興・創生の進展や災害等への対応も含めた中長期的な行政需要等を踏まえながら、適正な人員配置に努めてまいります。    (危機管理部長渡辺 仁君登壇) ◎危機管理部長(渡辺仁君) お答えいたします。 食物アレルギーに配慮した食料の確保につきましては、アレルギー対応の主食用米飯を9万食を目標に計画的な備蓄を行っているほか、流通業者との応援協定の締結により、小麦や卵など様々なアレルギーに対応した食品を調達する体制を構築しております。 今後、粉ミルクについても対応食品を備蓄することとしており、これらの取組の周知を図りながら、住民が安心して避難できるよう、食料の確保に一層取り組んでまいります。 次に、避難所におけるトイレの確保につきましては、衛生環境の維持だけでなく、避難者の健康管理や感染症の予防のためにも重要であることから、県では簡易トイレに加え、高齢者等に配慮したトイレ用補助手すりを備蓄するとともに、レンタル事業者等と応援協定を締結し、市町村の要請に応じて仮設トイレや簡易トイレを確保する体制を整備しております。 引き続き、市町村が行う備蓄等の取組と併せ、避難所におけるトイレの確保にしっかりと取り組んでまいります。    (保健福祉部長國分 守君登壇) ◎保健福祉部長(國分守君) お答えいたします。 看護職員業務負担の軽減につきましては、看護職員が職務に専念できるよう、関係の医療従事者が業務を分担し、協力することが重要と考えております。 このため、看護補助者を養成する講習会や業務の円滑化を図る研修会を行うとともに、医療関係事務を補助する職員の雇用経費を支援しております。 引き続き、看護職員がその専門性を十分に発揮できるよう業務負担の軽減に取り組んでまいります。 次に、看護職員復職支援につきましては、県看護協会やハローワークと連携して、再就業のための巡回相談会を実施するとともに、復職への不安を軽減するため、最新の知識や技術が学べる研修会を開催しております。 また、今年度から新たに、災害時や感染症拡大期に備え、現在未就業の看護職員を対象に、避難所支援やワクチン接種等の業務に関する研修会を開催するなど、看護職員復職支援にしっかりと取り組んでまいります。 次に、がん検診受診率向上につきましては、受診を促進するキャンペーンを継続するほか、市町村が効果的ながん検診の受診勧奨を実施できるよう、保健師等への研修を行っております。 今後は、各保健福祉事務所が市町村に出向き、検診結果のデータ分析や住民に対する受診勧奨への助言を行うことにより、市町村と連携しながら受診率の一層の向上に取り組んでまいります。 次に、介助犬の普及につきましては、その役割を広く周知するため、県のホームページへの掲載や市町村を通じたチラシの配布に加え、今年度は日本介助犬協会と連携して介助のデモンストレーションを実施したところであります。 また、介助犬等を希望する方には、訓練費用等を県が負担する補助犬育成貸与事業を実施しており、引き続き介助犬の普及に向けてしっかりと取り組んでまいります。    (商工労働部長小笠原敦子君登壇) ◎商工労働部長(小笠原敦子君) お答えいたします。 新規高卒者早期離職防止につきましては、新入社員の不安解消や孤立化防止が重要であることから、企業の枠を超えた新入社員のネットワークづくりや巡回相談に加え、メールでの相談窓口を設置しているところです。 さらに、高校生の職業意識を醸成するための若手社会人による講話会の開催や、上司等を対象に指導方法や人材定着のノウハウを学ぶセミナーを実施するなど、引き続き早期離職防止にしっかりと取り組んでまいります。 次に、障がい者の雇用促進につきましては、職場適応訓練の実施や就職面接会の開催に加え、障がい者を積極的に雇用する企業からの優先的な物品調達や企業への啓発資料送付に取り組んでいるところであります。 さらに、職場定着を支援するため、県内6か所の障害者就業・生活支援センターにおいて障がい者の就業及び生活面への一体的なサポートや企業からの様々な相談対応を行っており、引き続き国と連携し、障がい者の雇用を促進してまいります。    (農林水産部長小柴宏幸君登壇) ◎農林水産部長(小柴宏幸君) お答えいたします。 食料自給率の向上につきましては、本県の広大な耕地面積や多様な気候風土を生かしながら、生産力を強化し、食料を安定的に供給していくことが重要であります。 このため、農林水産業振興計画に基づき、担い手の確保・育成や農地等の基盤整備をはじめ麦、大豆等の生産拡大、園芸生産拠点の育成、機械、施設整備への支援やスマート農業技術の導入などを総合的に進めてまいります。 次に、「ゆうやけベリー」の販売促進につきましては、12月22日の県内量販店におけるデビューイベントの開催やロゴデザインを生かした統一パッケージ等での販売により、認知度の向上を図ってまいります。 また、モニターツアーや流通関係者との意見交換会を開催し、「ゆうやけベリー」の食味のすばらしさ等をアピールするなど、生産者や流通関係者等と一丸となって、積極的な販売促進に取り組んでまいります。    (こども未来局長鈴木竜次君登壇) ◎こども未来局長(鈴木竜次君) お答えいたします。 子育て支援の強化につきましては、保育所等の受皿拡充や保育人材の確保を進め、待機児童の解消を図るとともに、保育の無償化、本県独自の18歳以下の医療費無料化や多子世帯への保育料助成により、子育て世帯の経済的負担の軽減等に取り組んでまいりました。 今後は、多様な保育ニーズに応えるため、延長保育や一時預かり等、市町村における子育て支援事業のさらなる活用を促すなど、引き続き市町村と連携を図りながら、子育て支援の強化に一層取り組んでまいります。 次に、ヤングケアラーの実態把握と支援につきましては、現在小学5年生から高校3年生を対象とした実態調査の集計をしており、現状や課題等を整理した上で、年度内に市町村や学校等との共有を図ってまいります。 また、周囲の大人が子供の悩みに気づき、速やかに対応できるよう、広報媒体による啓発に加え、教育、福祉関係者を対象とした専門店な研修の継続的な実施等により、ヤングケアラーの支援に取り組んでまいります。 次に、育児で困難を抱える家庭の支援につきましては、市町村子育て世代包括支援センターの設置を促進し、支援が必要な家庭の早期把握や相談、助言を行う体制整備と機能充実を図ってきたところであります。 さらに、医療的ケアを必要とする子育て家庭や虐待等の兆候がある家庭には、市町村と連携し、実情に応じて対応しております。 引き続き、市町村や関係機関と連携を密にし、育児で困難を抱える家庭への切れ目のない支援にしっかりと取り組んでまいります。 次に、家庭内におけるDVを目撃した子供の心理的虐待につきましては、児童相談所において虐待通告の受理後、48時間以内に子供の安全を確認した上で、訪問等により保護者への指導を行うとともに、適宜子供の心のケアを行っております。 引き続き、県警察や市町村等の関係機関と連携し、リスク評価や安全確認、保護者への指導などを行うことにより再発を防ぎ、重大事案につながらないよう、適切な対応に努めてまいります。    (観光交流局長市村尊広君登壇) ◎観光交流局長(市村尊広君) お答えいたします。 地域の食を生かした観光誘客につきましては、本県が誇る日本酒やお米をはじめ会津の馬刺しや姫ます寿司、中通りの取れたての果物を使ったスイーツや円盤餃子、浜通りの浜焼きやほっきめしなど、本県には旅の目的となり得る魅力的な郷土料理や御当地グルメなどが数多くあります。 これら地域の歴史や風土に育まれた福島ならではの食のおいしさを様々な機会を捉え発信し、宿泊や周遊観光につながる取組を強化してまいります。    (教育長大沼博文君登壇) ◎教育長(大沼博文君) お答えいたします。 不登校児童生徒への対応につきましては、教職員やスクールカウンセラーなどのチームによる1人1人に寄り添った支援が必要であると考えております。 このため、児童生徒の状況を把握する方法や組織的な支援の在り方等を具体的にまとめたふくしまサポートガイドの活用を各学校へ促しており、今後も本ガイドを用いた研修を充実させ、不登校児童生徒の多様なニーズに合わせてきめ細かに対応してまいります。 ○議長(渡辺義信君) これをもって、佐藤郁雄君の質問を終わります。 通告により発言を許します。11番橋本徹君。(拍手)    (11番橋本 徹君登壇) ◆11番(橋本徹君) 県民連合の橋本徹です。通告に従い、質問いたします。 初めに、本県の復興再生についてです。 内堀知事が掲げる1つ、「進取果敢」を全庁的に理解、浸透させることについてです。 内堀県政の3期目がスタートしました。祝意を申し上げるとともに、これまで以上に本県の再生のために共に取り組んでいきたいと考えます。 ただ、懸念されるのは、長期政権となれば、相互依存の県議会との関係に緊張感がより失われ、県の組織は硬直化することです。県議会に属する私としましては、日々研さんを積み、是々非々で臨みたいと考えます。 震災と原発事故の風化が進展する中で、本県ならではの施策を積極的に採用し、県政に広く展開されることが望まれます。そして、県政運営をする上では、県組織にも進取果敢の精神がより求められます。 そこで、知事は職員に進取果敢の姿勢をどのように浸透させていくのかお尋ねします。 続いて、子供たちの学び、経験、発達の保障に対するさらなる支援についてです。 双葉郡の子供たちの数が増えています。郡内で仕事に従事する方々とその家族がそれぞれの地元に戻るなどしているのが中心です。放課後児童クラブなど、子供たちを取り巻く支援の輪が徐々に築かれつつあります。 ただ、子供たちの数が多くなるにつれて、個別具体化する課題が山積しております。健常者と障がいを持つ子供たちとの共生の在り方、学習塾などの習い事ができにくい環境にある、不登校の子供たちが多いことなどです。 双葉地域など原子力災害被災地域は、地域の教育をつくり上げている真っ最中です。関係者によると、家族での移住を考えている方からの問合せで教育環境が必ずあるということです。 そこで、県教育委員会は双葉郡の教育環境の充実にどのように取り組んでいるのかお尋ねします。 次に、県民健康調査についてです。 県民健康調査は、東京電力福島第1原子力発電所の事故による放射性物質の拡散や避難等を踏まえ、基本調査により県民の被曝線量の評価を行うとともに、甲状腺検査や健康診査などの詳細調査の取組により県民の健康状態を把握し、疾病の予防、早期発見、早期治療につなげ、県民の健康の維持増進に多大な貢献をしてきました。 特に県民健康調査における健康診査については、震災後の健診の機会を提供し、大きな生活環境の変化に伴う健康状態を見守りしてきました。避難生活等による運動不足、飲酒量の増加、食生活の変化が肥満の増加などにつながり、それが健康影響として表れることが懸念されています。 今後もこうした取組を通し、長期的に健康状態の把握と見守りを継続していくことが重要です。 そこで、県は県民健康調査の健康診査にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、被災地域の地域包括ケアシステム構築の支援についてです。 東日本大震災、原子力災害の被災地域の高齢化率は、全国よりも高い水準となっています。長期の避難生活が原因で、避難解除後は一気に過疎化が進み、結果としてコミュニティーが崩壊、帰還住民による新たなコミュニティー構築も時間がかかるため、高齢者の見守り体制が不十分です。 さらに、全国に比べて介護保険料の高い市町村が多いことは、震災後の生活環境の変化が要因であると考えられます。 しかしながら、高齢者の自立支援に向けて適切な介護サービスの提供などの取組も課題となっています。 被災地域の市町村は、個々の事業を実施することに追われ、広い視点からの目標設定や課題解決に向けた施策構築に苦慮しています。 このような中、誰もが住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けていくためには、医療や介護、予防のみならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが適切に提供できるよう、地域包括ケアシステム構築が喫緊の課題です。 そこで、県は被災地域の地域包括ケアシステムの構築をどのように支援しているのかお尋ねします。 次に、国際研究教育機構の広域連携についてです。 浪江町に立地が決まった同機構について、広域展開を期待する声が高まっています。浪江町のみならず、同機構を中心にそれぞれの地域や地域性を生かして、その効果が全県に波及するような青写真が求められます。 双葉郡をはじめとする近隣市町村は、同機構を起爆剤にした新たな地域づくりを模索し、その期待は大きなものがあります。 復興庁からまだ具体的な計画が公にはなっておりませんが、県民の期待を反映させたものでなくてはなりませんし、その意見を国に伝える県の役割は大きなものがあります。 そこで、県は福島国際研究教育機構の立地による効果が広域的に波及するよう、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 双葉地域における中核的病院についてです。 双葉地域におきましては、震災と原子力災害の影響により、震災前にあった医療機関の約7割が今もなお休止しております。 双葉地域は、現在県ふたば医療センター附属病院が2次救急を担い、附属診療所をはじめ再開や新たに開業した近隣の医療機関と連携して医療を提供しています。ただ、人工透析など診療体制が整っていない医療については、いわき市や相馬地域、中通りの医療機関に依存しているのが現状です。 こうした中、県は今年8月に双葉地域における中核的病院のあり方検討会議を設置し、検討を進めております。 避難指示の解除が進む中、新病院においては、2次救急、緊急被曝医療など、これまで県立大野病院が担ってきた医療を引き継ぐとともに、これから帰還する住民、既に帰還した住民や移住者などの多様なニーズに応える医療提供が必要であると考えております。 そして、富岡町にある県ふたば医療センター附属病院の今後の方向性を含め、地域としてどんな機能が必要なのか整理しながら検討を進めなくてはいけません。 そこで、双葉地域における中核的病院の在り方について、県の考えをお尋ねします。 次に、Jヴィレッジの利活用促進についてです。 サッカーワールドカップに合わせてJヴィレッジで日本戦のパブリックビューイングなどが催され、大いに盛り上がりました。 おとといはハーフマラソン大会が開催され、私は秋葉復興大臣よりもタイムは及びませんでしたが、無事完走してきました。 自分は、質問の機会をいただくたびに、Jヴィレッジがサッカーを中心とした拠点に加えて健康づくりの拠点としての取組を積極的に進めるべき、平日利用の促進に力を入れるべきと訴えてきました。 また、2024年から固定開催されるインターハイ男子サッカー競技では、全国の方に復興が進む浜通りの状況を見てもらう機会になるとともに、周辺地域における宿泊者や各種施設の利用増加が期待されます。 大規模なスポーツ大会や様々なイベントの開催による交流人口の拡大は、地域経済を活性化し、住民の元気にもつながっていきます。これを地元の経済振興につなげなくてはいけません。インターハイ以外にも、全国大会クラスの競技誘致に努めなければいけません。 そこで、県は地域活性化につながるJヴィレッジの利活用促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 震災、原発事故、令和元年東日本台風被害を踏まえた教訓についてです。 私たちは、1,000年に1度の大震災と大津波、100年に1度の大雨と言われる大災害を経験しました。この経験を次代につなげなくてはいけません。 県は当時、災害対策課を中心に日夜を問わず対応され、被害を最小限に食い止めるべく奔走されました。これらの対応をどのように県庁内で水平展開され、次につなげていくのかと考えています。 そこで、激甚化、頻発化している自然災害に備え、職員の災害対応の向上にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 東日本大震災及び原子力災害の記憶と教訓の伝承についてです。 来年3月で東日本大震災、原子力災害から12年になります。災害は現在進行形ですが、風化は進んでいます。 伝承と風化防止の一環として、県は東日本大震災・原子力災害伝承館を整備しました。2年余りで15万人が来館し、大きな役割を果たしています。 私は、以前の一般質問で(仮称)震災・原子力災害伝承課を創設してはどうかと提案しました。今回は、県立博物館や県立図書館の専門職員との人事交流などを通じてより密にしては、と提言いたします。より多角的で厚みのある情報の収集、保管に努め、次代につなぐことができるのではないかとも考えています。 また、周辺にも様々な伝承関係の施設が整備されています。そうした伝承施設とともに連携を強化すべきです。 今回、震災の記憶と教訓を語り継ぐ語り部の活動が風化の防止に必要と考えます。しかし、語り部の高齢化や後継者不足が懸念されています。 そこで、県は語り部による東日本大震災及び原子力災害の記憶と教訓の伝承をどのように支援していくのかお尋ねします。 移住、定住者のフォロー支援についてです。 地方移住の流れを受け、本県の移住者数は年々増加し、令和3年度は過去最多となっています。 一方で、移住後に理想と現実のギャップに悩む移住者もいると聞きます。縁があって福島に移住しており、移住者が地域に定着することは、新たな移住者の呼び込みにもつながる効果があると思われます。 移住後の定着支援を担う市町村を支援するため、県も連携して取り組んでいく必要があると考えます。 そこで、県は移住者の定着に向けてどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 携帯電話の不感地帯の解消に向けての取組についてです。 先日、いわき市と川内村を結ぶ国道399号バイパスが開通しました。いわき市と川内村間の車での往来が約20分間短縮され、利便性が向上したことは大変うれしく感じます。 一方で、市と村の境は携帯電話の電波がつながらない状態です。地元からも電波を通じるようにとの要望があると聞きますが、万一の事故や救急搬送時に備えて、不感地帯の解消をすべきではないでしょうか。 そこで、県は携帯電話の不通話地区の解消にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 JR常磐線に乗る機会がありますが、いわき駅発の終電は午後8時19分です。せめて午後9時台であってほしいと感じます。深夜のダイヤは広野駅終着のままで、例えば富岡駅終着にできないものかなとも思ってしまいます。 また、ふたば未来学園に通う生徒たちからも、始業や部活終わりに合わせたダイヤ改正を求める声を受けたこともあります。 避難指示解除に合わせた柔軟な対応が求められますが、県はJR常磐線の利便性向上に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 鳥獣被害対策についてです。 富岡町の農家の方から、「豚熱の影響からか、今年のイノシシの捕獲頭数や出没数が急減している」と聞きました。これまでの捕獲強化のおかげもあると思いますが、農家の方は「このまま頭数が減って農作物への被害が少なくなるとは、まだ思えない」と、引き続き注意をしていくと述べました。猿の出没情報なども多く聞くことから、これまで同様の対策が必要と思います。 そこで、県は避難地域の鳥獣被害対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 健康増進についてです。 食育に関する取組についてです。 家庭や学校、職場などが一体となった食育推進運動の展開をされていますが、私はお昼にお弁当が中心となる高校生や1人暮らしが多い大学生など、若年層の食習慣が乱れていると考えます。 特に高校生時は心身ともに発達する年代で、バランスの取れた食事を取ることこそが大切なのではないかと思います。それには、小さい頃から食育を強化し、よい食習慣を構築していく必要があるかと考えます。 そこで、県教育委員会は公立学校における食育の推進にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 浜街道を生かした健康づくりについてです。 県道広野小高線、いわゆる浜街道の工事が進展しています。太平洋岸と並行する県道で、住民の生活道路であることはもちろん、災害があった際の避難道路、さらには大海原の眺望を生かした観光道路としての活用が大いに期待されます。 いわき市に自転車道が整備されたように、ウオーキングからジョギング、自転車に優しい道路を目指すべきです。 そこで、広域的なサイクリングルートの構築において、県道広野小高線、いわゆる浜街道の活用が必要と思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 教育の充実についてです。 これからの時代を担う子供たちに必要な資質、能力を育成するためには、一方通行の画一的な授業から個別最適化された学び、協働的な学び、探究的な学びへと、学びの変革を進めていく必要があります。 様々な教育活動の中で、対面とオンライン、紙とデジタルを組み合わせ、子供たちの学習活動をますます豊かにしていくことが求められています。 しかし、ICT活用指導力は教員によって大きな差があります。今後1人1人の教員がICTスキルの習得に努め、最終的にはICT活用指導力を向上させることが重要であると考えます。 そこで、県教育委員会は教員のICT活用指導力の向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 県教育委員会は、令和4年2月に策定した教職員多忙化解消アクションプラン・の重点取組テーマとして、統合型校務支援システムの効果的な運用を掲げています。今後運用に当たって、成果や課題をしっかりと把握し、改善を図ることによって、より一層教職員の負担軽減につながると考えます。 そこで、県教育委員会は統合型校務支援システムによる県立学校教職員の業務の負担軽減にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、美しい県土づくりについてです。 沿道のポイ捨てゼロに向けた取組についてです。 以前もお尋ねした質問ですが、富岡高校サッカー部のフォワードで現在はタレント活動をしている鈴木文健君のごみ拾い活動についてです。 テレビ放送を見ていると、何度もごみ拾いをしても同じところでポイ捨てが繰り返されているなと感じます。 あくまでも私見ですが、長距離トラックをはじめ、バン、業務車両、営業車両のドライバーや同乗者からポイ捨てが多いと見ています。その多くは、人目のつかない幹線道路や夜間にコンビニ弁当の空き容器、小便が入ったペットボトルを投げ捨て、通り過ぎていきます。 サッカーワールドカップでの観戦後に清掃活動をしているサポーターや選手控室の整然とした様子を見ると、日本人のあるべき姿はこうあるべきと思います。 そこで、県は沿道へのごみのポイ捨て防止にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 最後に、地元選出議員としての質問です。 被災地域における警戒活動についてであります。 双葉警察署浪江分庁舎に勤務する特別警ら隊の男性警察官による不祥事が発覚しました。 県警によると、男性警察官は別の警察官と2人1組となり、パトカーで帰還困難区域を警ら中、空き家となっている民家で女性用の下着等を盗んでいました。盗んだものは約1,000点に上っていたということです。 ある程度自由に行き来できるパトカーでの巡回に乗じて繰り返した犯行は大胆であり、大変ゆゆしき事態であります。真面目に職務を遂行している大半の警察官の活動を大きく阻害する行為であり、大変残念に思います。 県警察には、原点に立ち返り、被災地域における警戒活動を根本的に見直すなど、いま一度気を引き締める必要があると考えます。 そこで、被災地域における警戒活動について県警察にお尋ねいたします。 これで質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(渡辺義信君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 橋本議員の御質問にお答えいたします。 進取果敢の姿勢の浸透についてであります。 私は、知事に就任して以来、進取果敢を県政運営の基本姿勢に掲げ、自ら先頭に立ち、新たな道を切り開く挑戦を続けてまいりました。 そして、職員に対しても、様々な機会を通じて、進取の気性を持ち、果敢に挑戦することの大切さを伝えてきたところであります。 そのような中、県庁内では、より効果的な方法を探ろう、業務の効率化を図ろうといった新たな取組に挑む機運が芽生え始めています。 「どうすれば福島の魅力を伝えられるのか」、考えた末、職員自らが現場を取材し、動画で発信する取組を始めたほか、自然災害や新型感染症に際してはウェブ会議を取り入れるなど、リアルとオンライン等を効果的に織り交ぜ、移動時間の削減や多様な働き方を推進したり、立ったまま会議を行うことで会議の短縮化や健康増進を狙った立ち会議を導入するなど、様々な挑戦が進められております。 こうした姿勢は、県庁全体の意識改革を促し、やがてそれは「シンカ」した組織力となって、本県が直面している逆境を乗り越えるための大きな力になるものと確信しております。 「変えられるのは、自分自身と未来」、私はこの思いを全ての職員と共有し、これからも職員の意識醸成を図りながら、福島の明るい未来に向かって全庁一丸となり挑戦を続けてまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。    (危機管理部長渡辺 仁君登壇) ◎危機管理部長(渡辺仁君) お答えいたします。 職員の災害対応力の向上につきましては、東日本大震災等の災害対応の検証を踏まえ、災害対策本部事務局の指定職員に対する研修や関係機関と連携した発災時の初動対応を想定した図上訓練などに取り組んでおります。 また、内閣府防災担当への派遣研修に加え、被災地への応援職員派遣により実務経験等を有する職員の育成に取り組んでおり、引き続き様々な機会を活用して職員の災害対応力の向上を図ってまいります。    (企画調整部長橘 清司君登壇)
    ◎企画調整部長(橘清司君) お答えいたします。 福島国際研究教育機構につきましては、県内の大学や研究機関、企業等と幅広く連携し、効果を広く波及させていくことが重要です。 このため、来年4月の機構の活動開始を見据え、国と共に連携の機運醸成を図るほか、福島イノベーション・コースト構想の産学官の結びつきを生かし、早い段階から機構を核としたネットワーク形成を進め、立地効果の広域的な波及に着実に取り組んでまいります。 次に、Jヴィレッジの利活用につきましては、交流人口拡大やにぎわい創出につなげることが大切であると考えており、教育旅行の誘致や音楽イベントへの支援等を行ってまいりました。 今後いわきFCのJ2昇格による浜通りへの来訪者の増加も期待されており、地域経済への波及効果も意識しながら、Jヴィレッジを拠点とした周遊の促進や関係機関と連携した大会、合宿の誘致、多様なイベントの開催などに取り組み、双葉地域の活性化に向けて利活用を促進してまいります。 次に、移住者の定着につきましては、地域での良好な近所関係の形成や、移住者同士が思いを共有できる場を設け、孤立を防ぐなど、新たな生活への不安を軽減し、満足感が上回る状態へ導くことが重要であります。 このため、移住コーディネーターや民間支援団体による継続的な相談対応、移住者交流会の開催などに取り組んでおります。 今後は、市町村との連携を深め、移住者のニーズや支援策等を共有するなど、地域とのつながりや仲間づくりの取組を一層後押しし、支援体制のさらなる充実を図ってまいります。 次に、携帯電話の不通話地区の解消につきましては、住民の暮らしに不可欠な生活基盤として整備を促進してきたことにより、居住エリアではおおむね解消され、近年は道路や観光地等の居住エリア以外でも取組が進み、今年度は葛尾村などの5地区で基地局の整備が行われております。 引き続き、市町村と連携を密にして事業者の主体的な整備を促すとともに、国庫補助事業による市町村の取組を支援するなど、不通話地区の解消に積極的に取り組んでまいります。    (生活環境部長久保克昌君登壇) ◎生活環境部長(久保克昌君) お答えいたします。 JR常磐線の利便性向上につきましては、通勤通学など日常生活の足の確保や避難住民の帰還促進、交流人口の拡大のため、常磐線は重要な社会基盤であることから、これまで福島県鉄道活性化対策協議会を通じ、いわき駅以北の運行本数の増便や広野駅止まりの列車の延伸等についてJR東日本に要望しているほか、2次交通の整備にも取り組んでいるところであります。 引き続き、沿線市町村と連携し、常磐線の利便性向上に取り組んでまいります。 次に、避難地域の鳥獣被害対策につきましては、国、市町村等を構成員とする会議を定期的に開催し、課題等を共有しながら対策を推進してきたところであり、県としても鳥獣被害対策の専門職員を富岡町内に配置するなど、市町村の取組を支援してまいりました。 今年度からは、新たに地域主体の対策を推進するため、ICTの活用等により効率化を図るモデルづくりに向け地域の合意形成等を進めており、引き続き関係機関と連携しながら避難地域の鳥獣被害対策に取り組んでまいります。 次に、沿道へのごみのポイ捨て防止につきましては、路線バスの後部看板やラジオ等で広く呼びかけているほか、運送事業者等の関係団体と連携してポスターを掲示するなど、意識啓発に取り組んでおります。 今後も関係団体と連携を強化し、車両へのポイ捨て防止ステッカーの貼り付けやドライバーによる道路沿いのごみ拾いなど、事業所ぐるみでの取組を促し、ごみのポイ捨て防止に向け、意識の向上と対策の強化に取り組んでまいります。    (保健福祉部長國分 守君登壇) ◎保健福祉部長(國分守君) お答えいたします。 県民健康調査の健康診査につきましては、これまでの調査において放射線の直接的な影響は確認されていないものの、震災後に肥満や高血圧症などの増加が見られ、避難生活等の影響が指摘されております。 今後とも、生活習慣病の予防や疾病の早期発見、早期治療につなげるため、市町村と連携して調査の成果や定期的な受診の重要性を周知するなど受診率の向上に努め、長期的な視点に立ち、避難地域等住民の健康を見守ってまいります。 次に、被災地域の地域包括ケアシステムの構築支援につきましては、市町村職員やケアマネジャー等を対象とした研修を行うなど、人材育成に取り組んでおります。 また、地域ごとに異なる課題に対応するため、希望する自治体に専門家を派遣し、より具体的かつ実践的な助言を行う個別支援を実施しております。 引き続き、被災地域に寄り添いながら、地域包括ケアシステムの構築をしっかりと支援してまいります。    (土木部長曳地利光君登壇) ◎土木部長(曳地利光君) お答えいたします。 広域的なサイクリングルートにつきましては、市町村や民間団体と連携し、現地での試走や意見交換を行いながら、地域資源等を生かしたルートを県内7つの地域で検討しております。 浜街道は、快適に走行できる道路環境を有することに加え、復興の進む地域の姿や海を望む景観など固有の魅力ある風土を体感できることから、相双地域において浜街道を活用したルートの構築に取り組んでまいります。    (文化スポーツ局長永田嗣昭君登壇) ◎文化スポーツ局長(永田嗣昭君) お答えいたします。 語り部による伝承活動につきましては、個別に活動してきた団体をつなぎ、語り部となる人材の育成や活躍の場の拡充などを図るため、先月県内の語り部団体によるネットワーク会議を立ち上げたところであります。 今後は、語り部同士のレベルアップを図る交流会の開催や独自の人材育成プログラムの検討、県外へ語り部を派遣する仕組みづくりなど、伝承活動が持続的に発展するよう支援してまいります。    (病院局長三浦 爾君登壇) ◎病院局長(三浦爾君) お答えいたします。 双葉地域における中核的病院につきましては、住民生活の安心や企業活動、交流の促進を医療の面から支えていくため、地域と連携し、予防から入院、在宅までの切れ目のない医療を提供することが重要であると考えております。 今後、患者動向に対応した医療需要等の調査を行うとともに、専門家や地元自治体の意見も伺いながら、必要とされる医療機能等を検討し、地域の医療ニーズにしっかりと対応してまいります。    (教育長大沼博文君登壇) ◎教育長(大沼博文君) お答えいたします。 双葉郡の教育環境の充実につきましては、各町村から現状と課題を丁寧に伺いながら、児童生徒へのきめ細かな支援を行うための教職員の加配やふるさと創造学などの双葉郡ならではの魅力ある教育を共に進めているところであります。 今後も国や関係機関と連携しながら、避難先で教育活動を行っている学校の帰還に向けた支援や児童生徒が抱える課題に対応するための体制整備に取り組んでまいります。 次に、公立学校における食育につきましては、健康な心と体を育む基礎として望ましい食習慣を形成することが重要であります。 このため、子供たちと保護者に朝食摂取を呼びかける期間を年2回設け、生活リズムを見直すとともに、バランスのよい食事の取り方を学ぶ栄養教室を校内で開催し、健全な食生活を実践する力の育成を図っているところであり、今後とも学校が家庭や地域と一体となって食育の推進に取り組んでまいります。 次に、教員のICT活用指導力の向上につきましては、1人1人の活用スキルの段階に合わせた研修が重要であることから、教員がICTスキルを自己診断し、レベルに応じた研修動画等を閲覧できるウェブサイトを先月開設したところであります。 今後は、モデル校の授業実践事例を掲載したICT活用ハンドブックを校内外の研修で効果的に活用することにより、児童生徒の個に応じた深い学びが実現できるよう、教員の指導力向上に取り組んでまいります。 次に、県立学校教職員の業務の負担軽減につきましては、統合型校務支援システムの導入により学習評価や成績処理等の一元的な管理が可能になるなど、校務の効率化につながっております。 引き続き、新学習指導要領への対応を含め、より利便性の高いシステムになるよう改善を図るとともに、ヘルプデスクによる操作の支援や研修等を通じて教職員のさらなる業務負担軽減に努めてまいります。    (警察本部長児嶋洋平君登壇) ◎警察本部長(児嶋洋平君) お答えいたします。 被災地域における警戒活動につきましては、双葉警察署浪江分庁舎を拠点とする特別警ら隊が行っておりますが、昨日付で同隊の編成を見直し、被災地での治安維持のために自ら出向してきた県外からの警察官をより多く警戒警らに従事させるとともに、1日当たりの活動人数を増やすことにより活動の強化を図りました。 また、このたびの不祥事の反省、教訓を踏まえ、特別警ら隊員の単独行動を禁止したほか、隊員の勤務管理に専従する者を増員し、従来以上に効果的な体制で治安維持に努めてまいります。 ○議長(渡辺義信君) これをもって、橋本徹君の質問を終わります。 暫時休憩いたします。    午後2時23分休憩                  午後2時41分開議 ○副議長(佐藤政隆君) この際、私が議長の職務を行います。 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。 直ちに、質問を継続いたします。 通告により発言を許します。38番宮本しづえ君。(拍手)    (38番宮本しづえ君登壇) ◆38番(宮本しづえ君) 日本共産党の宮本しづえです。一般質問を行います。 長引くコロナ禍と物価高騰の厳しい県民生活の下で、今県民が県政に求めているのは、県民に寄り添って共に困難に立ち向かう姿勢を示すことです。直面する困難に立ち向かい、県民生活擁護のため全力で取り組むことを求め、以下質問に入ります。 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてです。 昨日の新規感染者数は、3,705人と過去最多となりました。オミクロン株の高い感染力で私も感染者の1人となり、御心配をおかけいたしました。この体験も踏まえて提起したいと思います。 まず、検査体制の問題です。微熱が出たため、個人的に抗原検査キットを購入し、2回ほど自己検査を実施しました。しかし、2回とも結果は陰性、念のため発熱外来に電話して、土日を経た2日後にPCR検査を受けたところ陽性と判定されました。 検査キット配布センターに申し込み、届いてから検査する気持ちの余裕もなく、すぐにでも判断したいのに時間がかかる、これは何とかならないものかと考えました。 症状が出た場合にPCR検査を早期に受けられる仕組みが必要と思いますが、県の考えを伺います。 昨年までの2年間は流行が見られなかったインフルエンザの感染者が増加傾向を示し、インフルエンザとコロナ感染症の同時流行の兆しが見え始めています。 厚労省は、同時検査可能なキットを3,900万回分確保したので大丈夫としているようですが、インフルエンザとの同時検査キットは県内医療機関に確実に供給されているのか伺います。 県の検査キット配布センターにおいて、希望する方にインフルエンザとの同時検査キットを配布すべきと思いますが、県の考えを伺います。 国はコロナ受入れ医療機関への交付金を10月から削減したため、医療機関からはコロナ感染者が増加しているときになぜ医療機関の受入れを困難にするような措置を取るのかと批判の声が上がっています。 入院受入れ医療機関に対する病床確保に係る補助金を見直すべきでないと思いますが、県の考えを伺います。 コロナ第7波以降、感染による死者数がまた増加しています。しかし、死者数の発表は半月以上遅れており、時々の対策に生かせているとは言えません。 陽性患者が死亡した場合は直ちに公表し、感染防止対策を図るべきと思いますが、県の考えを伺います。 県内でも第7波以降の感染死亡者は100人を大きく上回っています。第7波で感染しても医療を受けられずに死亡した事例がある介護施設は103に上ったことが、21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会の調査で判明しました。この中には、県内の特養施設で7人の長期入所者が感染、うち6人が死亡したと報告した施設も含まれています。 国は、施設内感染は基本的に施設内での療養を求めていますが、この調査では、陽性者は全員医療機関への入院を徹底するべきと答えた施設が75%を占めています。 12日時点の県内の確保病床使用率は58.9%ですが、感染者で介護施設に留め置かれている感染者も多数います。 介護施設で療養中に死亡した陽性患者数を伺います。 県は、介護施設の入所者が感染した場合に必要な医療の提供にどのように取り組んでいるのか伺います。 国は、感染症法等の改正でコロナ感染者の受入れを拒否したら罰則を科すとしました。コロナ禍の下で、重症化し救急搬送される患者の受入れに医療機関は懸命の努力を重ねてきました。 救急搬送は断らないことをモットーに頑張ってきたある医療機関の代表は、国会での参考人質疑の中で「受け入れたくても受け入れることができずに涙が出るほど悔しい思いをした」との経験を語り、これまで精いっぱい頑張ってきた医療現場職員の心を折るようなことはやめてほしいと訴えましたが、医療現場の共通の思いです。 患者の命を救うために政府が行うべきは、医療従事者の気持ちを逆なでするような感染症法等の改悪ではなく、医療現場が安心して受け入れられるような医療提供体制を整備することです。 感染者の受入れを拒否した医療機関に罰則を科す改正感染症法等は廃止すべきと思いますが、県の考えを伺います。 県としては、感染者の受入れ拒否に対する罰則を科さないことを原則とすべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、原発事故対応についてです。 汚染水の海洋放出問題が知事選挙の最大の争点となりましたが、汚染水タンクの存在が復興の足かせになる、廃炉作業の障害になると東電は述べてきました。しかし、何よりも第1原発の廃炉の最終形が決まっていません。 県は、汚染水海洋放出工事の事前了解を出しましたが、どのような必要性から判断したのかが問題です。 汚染水の海洋放出が終了するとされている約30年後の福島第1原発の姿について、県の考えを伺います。 国は、福島原発事故の反省もなく、原発回帰にかじを切っていますが、高レベル核廃棄物処理の見通しもなく、核燃料サイクルは破綻、国は再稼働を進められる状況では全くありません。 除染により発生した除去土壌等を保管している本県の中間貯蔵施設についても、2045年までには全てを県外に搬出することが法律事項となっています。 そこで、除去土壌等の県外最終処分について、処分地の選定も含めた国の検討状況を伺います。 飯舘村では、帰還困難区域に設定された特定復興再生拠点区域外の地点で、居住しないことを前提に土地活用方式による避難指示解除が来春予定されていると伝えられています。除染なしの避難指示解除に道を開くことになるのではないかと危惧します。 県は、飯舘村における特定復興再生拠点区域外の土地活用による避難指示解除の取組をどのように受け止めているのか伺います。 国の原子力損害賠償紛争審査会は、原発訴訟による被害者賠償が確定したことを受け、賠償の中間指針の見直しに着手しました。 ふるさと変容、苛酷な避難生活による被害の認定など、評価される項目もありますが、しかし5日の原賠審で議論され、方向が示された中で一番問題なのは、避難指示区域外、いわゆる自主避難区域については中間指針の賠償範囲を見直す考えがないことです。 賠償が確定した判決の重要な点は、国が決めた避難指示基準だけで判断していないことです。 国は、年間放射線被曝線量の推計で避難区域を指定しましたが、今年石川郡浅川町の飼料用稲から200ベクレルを超すセシウム137が検出されたように、県内どこで放射能汚染の実態が報告されてもおかしくないのが現状です。 県も全県域の賠償を求める立場で指針の見直しを求めていますが、福島県に居住していたことが精神的被害そのものであったということです。 中間指針が示された当時、賠償の対象外とされた県南、会津、南会津地区26市町村について、県は東電から受けた寄附金等を財源に賠償に代わる独自の給付金を支給してきた経過があります。 精神的損害の賠償について、避難指示等対象区域外の全域を対象に中間指針の見直しが行われるべきと思いますが、知事の考えを伺います。 次に、介護保険制度の見直しと高齢者支援についてです。 政府は、来年度から5か年の防衛力整備計画総額43兆円として敵基地攻撃能力を位置づけることも明言しました。日本と世界の平和のために重要なのは、戦争の不安のない世界をつくるため、対話と交渉の外交努力を尽くすことです。 今日の物価高騰が国民生活を苦しめている下で、大軍拡のため国民に新たな負担を強いる消費税等の増税、社会保障の切下げ、まして復興特別所得税の活用が検討されていることは断じて許されません。 第9期介護保険事業計画が2024年度から始まるに当たり、国は介護保険制度の抜本的見直しを行おうとしています。一部被保険者の保険料の引上げ、利用者窓口負担2割の対象範囲の拡大、要介護1、2を市町村の総合支援事業に移行させる検討を行っていると伝えられています。 4割を占める要介護1、2が介護保険給付から外されることになれば、文字どおり保険あって介護なしの状態になります。 全日本民医連は、利用料の2倍化について緊急の影響調査を実施した結果を公表しました。それによると、施設利用者は「自分が負担しても利用を続ける」との回答は31.5%、「施設を退所もしくは退所を検討する」が13%でした。在宅サービス利用者では、「今までどおり続ける」は57.1%でしたが、「利用回数を減らす、利用を中止する」との回答は34.4%に上ります。 民医連は、利用者負担が増えても利用を減らせない、退所もできない利用者が存在する、深刻な影響が可視化してこない実態があると指摘しています。 介護保険の利用者とその家族に深刻な影響が生ずる介護保険制度見直しの検討を中止するよう国に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 第9期介護保険事業計画策定に当たっては、入所施設希望者の待機を解消すべきと考えます。 特養ホームの入所を待っている待機者は、本年4月時点で6,253人に上っています。介護保険事業の実施主体である市町村は、保険料との兼ね合いで施設整備を考えざるを得なくされており、待機者がいても施設は増やさないことが当たり前になっています。施設整備は、保険料から逆算するのではなく、利用実態から必要数を算出すべきなのです。 入所待機者を解消するため、特別養護老人ホームを増設する介護保険事業支援計画を策定すべきと思いますが、県の考えを伺います。 市町村が必要な施設整備に取り組めるようにするためには、65歳以上の1号被保険者の保険料負担軽減が不可欠です。介護保険導入前の国の負担割合は50%でした。 介護保険の施設等給付における財源については、国の負担割合現行20%を30%に引き上げ、被保険者の負担を軽減するよう国に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 外出が困難となった高齢者が在宅生活で困るのは、買物が困難になることです。買物は、高齢者にとっては社会とつながる大切な機会でもあります。県の商業まちづくり条例では、歩いて買物ができるまちづくりを目指すとしています。 高齢者等の買物環境の確保のため、移動販売車の運行を支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、医療的ケア児の支援についてです。 医療的ケア児の支援に関する法律が昨年9月施行され、全国的に取組が始まったことは、ようやくこの分野に光が当たるようになったと関係者からは歓迎されています。 県内で市町村が把握している医療的ケア児の人数は272人です。支援策の中心はコーディネーターの養成・確保ですが、これまで80人が養成されているものの、配置されているのは13市町村、8人です。 常時医療的ケアが必要な児童は、高齢者よりもより濃密なケアが必要なケースが多く、介護に当たる家族の精神的、肉体的負担の大きさは計り知れません。必要な支援は子供の病気の状態によって皆異なるため、個々に応じた支援計画がなければなりません。 医療的ケア児等コーディネーターの養成及び配置をさらに進めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、安全・安心な学校給食の実現についてです。 千葉県いすみ市では、学校給食を教育の一環と位置づけ、より安全な食材を活用するため、有機農業と連携した取組を進めています。学校給食に有機食材を使うことでコンスタントに有機食材の活用が進み、地域の有機農業振興にも役立っていると報告しています。 今、輸入小麦の価格が上昇し、給食費を押し上げる要因となっています。しかも、輸入小麦から有害な農薬グリホサートが検出され、給食には使わないでほしいとの要望も高まっています。 世界の食料事情が激変する中、経済専門家は「もはや日本は安定した食料確保を輸入に依存できる状況ではない。自給率を抜本的に引き上げなければ、国民の食料確保自体が困難になるだろう」と指摘しています。 そこでまず、学校給食のパンや麺に使用する小麦は輸入ではなく県産の小麦を使用すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。 そのためにも県産小麦を安定供給できる生産体制が必要です。 県産小麦の生産拡大に取り組むべきと思いますが、県の考えを伺います。 福島市は、給食センター建て替えを機に、自校方式の一部も廃止して給食センターに統合、調理総数1万食もの大規模給食センターを今後2か所設置する方針です。食中毒などの事故が発生すれば、その影響も大規模となり、食物アレルギーへの対応、添加物など食の安全の問題もあり、食育の観点からも適切とは言えません。 大規模な学校給食センターは、食の安全の確保及び食育の推進の観点から問題があると思いますが、県教育委員会の考えを伺います。 物価高騰が県民生活に重くのしかかる下で、給食費の支払いが困難になっている世帯が増加、給食費の無償化が切実に求められています。 二本松市は、議会答弁で、86件の給食費の滞納があるが、児童手当から徴収している事例は19件との報告に、それはひどいとの声が上がっています。また、会津坂下町のある学校はこの方法があることを学校だよりでお知らせしています。 児童手当法は21条で「保護者の申出があれば市町村に支払う給食費等の公金を児童手当から徴収することができる」と規定していますが、児童手当は保護者が家庭で児童を養育するために必要な経費の一部として支給するもので、給食費の支払いに困窮する世帯にとっては、児童手当は子育てに要する重要な生活費の一部であり、天引きされれば家庭生活にしわ寄せが来ることは必至です。 給食費の納入も困難な生活困窮世帯のためには、給食費、学用品費、修学旅行費、またクラブ活動費等を支給する就学援助制度があります。児童手当から徴収する前に就学援助制度の活用を促すのが取るべき対応です。 県教育委員会は、就学援助制度の活用促進にどのように取り組んでいくのか伺います。 最後に、鳥インフルエンザについてです。 11月29日、伊達市で鳥インフルエンザが発生、1万4,500羽が殺処分となりました。この間の飼料価格の高騰で経営困難に陥っていた事業者は二重のダメージです。 殺処分された養鶏農家を3日に視察しました。そこで農家から伺ったことは、この殺処分による補償、再開までの必要期間や対策、再開支援の有無など十分な説明がなく、補償は新聞報道で知ったということです。県は説明を行ったとしていますが、経営再開の見通しも見えず、受け止め切れずに憔悴した状態でした。今月7日には、飯舘村で2例目が発生しています。 高病原性鳥インフルエンザの発生農家に寄り添い、経営再開に向け丁寧な説明と支援を行うべきと思いますが、県の考えを伺います。 また、農場周辺の地下水について、継続した水質の監視が必要と思いますが、県はどのように取り組んでいくのか伺います。 以上で私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(佐藤政隆君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 宮本議員の御質問にお答えいたします。 避難指示等対象区域外の精神的損害に係る指針の見直しにつきましては、これまでも繰り返し原子力損害対策協議会による要望活動等を行い、現地調査や原発事故に係る民事訴訟の判決内容の精査等を通して、本県の現状をしっかりと把握した上で適時適切な指針の見直しを行うよう国に求めてまいりました。 現在、原子力損害賠償紛争審査会において、今年3月に確定した判決等の調査分析を踏まえ、中間指針第5次追補の策定に向けた議論を行っているところであります。 こうした中、今月2日に改めて県としての政府要望や協議会の緊急要望活動を行い、本県の被害の実態等を十分に反映し、適切に指針を見直すよう強く求めてまいりました。 引き続き、審査会の議論の状況を踏まえながら、被害の実態に見合った十分な賠償がなされるよう取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。    (危機管理部長渡辺 仁君登壇) ◎危機管理部長(渡辺仁君) お答えいたします。 約30年後の福島第1原発につきましては、処理水放出シミュレーションの終了時期は中長期ロードマップにおける廃止措置終了と同時期とされており、県ではこれまで、廃炉においては燃料デブリを安全かつ着実に取り出すこと、使用済燃料や燃料デブリなどの放射性廃棄物を国及び東京電力の責任において県外で適切に処分することを繰り返し求めてきたところであり、引き続きその実現に向け、国及び東京電力に求めてまいります。    (生活環境部長久保克昌君登壇) ◎生活環境部長(久保克昌君) お答えいたします。 除去土壌等の県外最終処分につきましては、国は中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略及び工程表に基づき、現在最終処分量を低減するための減容化技術の開発や再生利用実証事業等を実施しており、令和7年度以降にこれらの成果を考慮しながら、最終処分地の調査検討、調整等を行うこととしております。 次に、農場周辺の地下水につきましては、防疫措置に伴う影響を確認するため、農場周辺井戸の水質調査を継続して実施しており、今後も調査結果を井戸所有者や地元自治体に伝えるとともに、ホームページにも掲載しながら定期的に水質調査を行ってまいります。    (保健福祉部長國分 守君登壇) ◎保健福祉部長(國分守君) お答えいたします。 新型コロナウイルス感染症対策におけるPCR検査につきましては、症状が出た場合に県内541か所の医療機関において受検できる体制を整えております。 次に、医療機関へのインフルエンザとの同時検査キットの供給につきましては、県医薬品卸組合を通じて流通状況を確認しており、現在のところ医療機関への供給に支障はないと認識しております。 次に、検査キット配布センターにおけるインフルエンザとの同時検査キットの配布につきましては、国が医療機関への供給を優先させる方針であることから、現時点においては新型コロナウイルス感染症に対応した検査キットの配布を行ってまいります。 次に、入院受入れ医療機関に対する病床確保に係る補助金につきましては、全国知事会による国への要望の結果、知事の判断により地域の実情を踏まえた柔軟な対応が可能となったことから、適切に対応してまいります。 次に、陽性患者の死亡につきましては、御遺族の同意を得るなど、御遺族の心情に配慮しながら速やかに公表し、必要な感染防止対策に取り組んでいるところであります。 次に、介護施設で療養中に死亡した陽性患者数につきましては、令和4年12月12日現在で7名となっております。 次に、感染した介護施設の入所者につきましては、医師の判断に基づき必要な医療を提供しております。 また、保健所の判断に基づき、医療従事者から成る感染対策支援チームを派遣し、嘱託医や協力医療機関等と連携して施設内での療養を支援しております。 次に、改正感染症法等につきましては、国民の生命と健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症の発生及び蔓延に備えるため、保健医療提供体制の確保などの措置を講ずるものであると認識しております。 次に、受入れ拒否に対する措置につきましては、協定締結医療機関において正当な理由なく協定に沿った対応を行わない場合に適用することとされており、そのような事態が生じないよう、医療機関と丁寧に調整を行うなど適切に対応してまいります。 次に、介護保険制度の見直しにつきましては、国の社会保障審議会介護保険部会において議論されているところであり、県といたしましては国の動向を注視してまいります。 次に、介護保険事業支援計画につきましては、介護保険法に基づき、地域における介護サービスの需要と供給の状況や市町村が必要とする施設数に基づき、3年に1度計画を策定しております。 次に、介護保険の施設等給付における財源の負担割合につきましては、介護保険制度が将来にわたり安定したものとなるよう、保険料や国、地方の負担の在り方など、必要な制度の改善を図るよう、全国知事会を通して国に求めているところであります。    (商工労働部長小笠原敦子君登壇) ◎商工労働部長(小笠原敦子君) お答えいたします。 移動販売車の運行支援につきましては、買物弱者を支援するため、新たに移動販売に取り組む事業者に対し、開業費用の助成や経営相談を行うとともに、商店街等が実施する移動販売に対し、車両リース代や燃料費等への補助を実施しているところです。 引き続き、買物ができる環境の確保に取り組んでまいります。    (農林水産部長小柴宏幸君登壇) ◎農林水産部長(小柴宏幸君) お答えいたします。 県産小麦の生産拡大につきましては、生産者の収益を確保しながら生産性の向上を図ることが重要であります。 このため、関係団体と連携し、経営試算に基づくメリットを示しながら、稲作からの転換を誘導するとともに、機械等の導入や栽培技術の向上を支援するなど、小麦の生産拡大に取り組んでまいります。 次に、高病原性鳥インフルエンザの発生農家への支援等につきましては、国の手当金が速やかに交付されるよう、農家の申請事務等についてきめ細かな支援等を行うとともに、経営再開に必要な資金の融資を受ける際の利子や保証料を助成し、農家の負担軽減を図るなど、安心して経営を継続できるよう支援してまいります。    (避難地域復興局長松本雅昭君登壇) ◎避難地域復興局長(松本雅昭君) お答えいたします。 飯舘村の土地活用による避難指示解除の取組につきましては、国が令和2年に定めた解除の仕組みに基づく村の方針による住民の日常的な居住を想定しない土地活用を主目的とするものであり、線量低減措置をはじめ必要となる環境整備が実施されるなど、解除に向けた取組が進められていると受け止めております。    (こども未来局長鈴木竜次君登壇) ◎こども未来局長(鈴木竜次君) お答えいたします。 医療的ケア児等コーディネーターにつきましては、県が主催する研修会を通し計画的に養成していくとともに、医療的ケア児とその家族が適切な支援を受けることができるよう、地域の実情に応じた配置について市町村に働きかけるなど、引き続きコーディネーターの養成及び配置の促進に取り組んでまいります。    (教育長大沼博文君登壇) ◎教育長(大沼博文君) お答えいたします。 学校給食のパンや麺に使用する小麦につきましては、輸入小麦が多く使用されているところですが、農林水産省において残留農薬の検査を実施しており、安全性が確認されているものと考えております。 次に、学校給食センターにつきましては、設置者である市町村が規模の大小にかかわらず関係法令等に基づき設置し、衛生管理やアレルギーへの対応など食の安全を確保するとともに、食育の推進に取り組むなど適切に運営されているものと考えております。 次に、就学援助制度の活用促進につきましては、まずは児童生徒の保護者に対する制度の周知が重要であると考えております。 このため、現在援助の実施主体である市町村教育委員会における周知の取組状況を把握し、課題を分析しているところであり、今後はその結果を踏まえ、さらなる周知を促してまいります。 ◆38番(宮本しづえ君) 再質問いたします。 まず、知事に賠償の中間指針の見直しについてのことで再質問をいたします。 知事の答弁は、被害の実態に即して適切に見直しが図られるようにという表現にとどまっております。本県に適切な賠償とはどういうものを指すのかということを、しっかり私は議場で知事が明確に述べるべきだというふうに思うのです。 この原賠審の中間指針の見直しについて、県も全県民が被害者との立場で県内全域を賠償の対象とすることをこの間求めてきています。しかし、この間の原賠審の見直し議論は県や県民が求める内容になっていないのです。特に国の避難指示区域外を分断、県南や会津には精神的損害はないとしてきたこれまでの考え方を変えていないのです。しかし、これは県民の被害の実態に照らして、現実を見ないものだと思います。 原賠審が福島県の現地調査で避難指示区域外の意見の聞き取りを行った際に、白河市の鈴木市長が「県民の分断は認められない」と述べて全県民への賠償を求めたことは県民の思いを代弁したものでした。 今年3月に賠償が確定したなりわい訴訟の判決でも会津や県南への追加賠償を命じています。間もなく決定されようとしている中間指針第5次追補を実質最終指針とさせないことが今重要と考えます。 今後の取組について、再度知事の考えを伺います。 次に、保健福祉部長に介護施設でコロナ感染症に感染した入所者の医療の確保について再質問いたします。 介護施設で亡くなられた方は、これまで本県は7人と報告されました。介護施設事業者の多数が原則感染者の入院対応を求めているのは、命を守る立場から当然の要求だろうと思います。しかし、今問題は医療機関でのクラスター発生が相次ぎ、受入れ体制が弱体化していることです。 介護施設で感染者が発生、クラスター化した場合は、施設職員の負担が大きくなり、重症化しても適切な対応が困難になる事例が出てしまうことです。介護施設でクラスターが発生した際の医療確保には特別の対応策が必要と思いますので、再度お答えいただきたいと思います。 同じく保健福祉部長に、コロナ感染者の死亡の発表の仕方についてです。 第7波、8波に入り、死亡者が再び増加して警戒が必要です。県内の死亡例を類型化し、県民に注意喚起するためにも、迅速かつ適切な情報発信がなければなりません。 これまで答弁にもあったように、個人情報や遺族の心情への配慮から死亡件数の報告が遅れてきました。しかし、ここまで感染が拡大すると、個人が特定されることはあまり考えにくいのではないかと思います。 インフルエンザと同時流行では、県内で1万人を超える感染者が出る可能性を予測している県として、県民の命を守るためにも、県民にも協力を呼びかけなければ死亡者も防げないわけですから、適切な情報発信と県民との信頼関係をつくることは極めて重要な取組だと思います。 そうした観点で、コロナ感染死亡者の公表の仕方を迅速に行うよう検討すべきと思いますので、再度の答弁を求めます。 ◎知事(内堀雅雄君) 宮本議員の再質問にお答えいたします。 指針の見直しにつきましては、これまでも原子力損害対策協議会の活動等を通し、被害者の立場に立ち、適時適切に指針を見直すよう国へ求めてまいりました。 引き続き、原子力損害賠償紛争審査会の議論の状況を踏まえながら、本県の被害の実態に見合った適切な指針の見直しがなされるよう求めてまいります。 ◎保健福祉部長(國分守君) 再質問にお答えいたします。 陽性患者の死亡につきましては、御遺族の心情に十分配慮し、個人が特定されないよう公表してまいります。また、必要な感染防止対策に取り組んでまいります。 次に、感染した介護施設の入所者の件でございますが、経口治療薬の処方など、施設内の療養を支援しながら、体調に変化が生じ、入院が必要な方は入院調整してまいります。 ◆38番(宮本しづえ君) 再々質問いたします。 まず知事に、今の再質問の答弁でもやっぱり適切なというところでとどまっているというのは、私は知事の答弁として非常に問題だというふうに思います。 中間指針の見直しが進む下で避難指示区域外の精神的賠償を認めさせるために、県は今月5日の原賠審の議論を前にして急遽2日の日に鈴木副知事を先頭に損対協としての要望活動を行いました。この判断は大変重要だったと思っています。にもかかわらず、原賠審は県民の願いにまともに向き合おうとしていない。ここが極めて遺憾だと言わなければならないわけです。 質問でも述べましたが、中間指針で会津と県南が賠償対象区域から外されたときに県が独自の給付金を支給したのは、県民の被害を線引きなどできるわけがないと考えたからです。区域外避難者は全県に及び、それは今も継続しています。 賠償の問題が金額の問題に収れんされるのは事柄の性格上やむを得ないとしても、被害の実態をどのように認識し救済するか、考え方、捉え方の問題なわけです。 県は、今月23日にオールふくしまを代表する損対協の全体会議を予定しています。賠償問題で損対協が今やるべきことは、知事も求めてきたように、副知事が2日言ったように、全県民を対象とした精神的賠償を原賠審に認めさせ、中間指針の追補に盛り込ませるためにあらゆる努力を尽くすことではないでしょうか。 しかし、今月開催される県損対協の議題は汚染水の海洋放出に係る風評被害の賠償問題です。県民も県漁連も反対の意思が変わらないにもかかわらず、海洋放出を前提に風評被害に係る賠償基準を議論することは、関係者はじめ県民の要求にも沿わないものだと思います。 県も県民も納得できない内容の中間指針第5次追補が間もなく示されようとしている下で、それを固定化し、実質最終答申とさせないことが重要だと思うのです。 県の要望でも第5次追補後も引き続き見直しを求めていますが、第4次追補から既に9年も見直しが行われてこなかったということを考慮しますと、やっぱり今の取組が非常に大事です。 早期に損対協全体会議でオールふくしまの意思を確認し、全県域を賠償対象とするよう見直しを国に迫ることではないかと思います。再度知事の答弁を求めます。 さらに、教育長に就学援助制度の取組について再質問いたします。 学校給食費の滞納問題を解消する上で、全県で給食費の無償化を実現するのが最適の対策であることは言うまでもありません。しかし、まだそれが実現していない下で、どのような対策を講ずるかが今問題になっているわけです。 児童手当法では、確かに保護者の申出があれば給食費を手当から徴収することができると規定しています。同時に生活困窮者には就学援助制度も適用できます。学校は、どちらを活用するかが問題になるわけです。 子供たちの様子をよく見ているのは学校、教師ですから、児童の生活状況について分かっている。しかし、就学援助の適用世帯が学校から紹介されるというのは実はあまり多くないのです。学校も先生もあまりこの制度をよく周知していないということがあるのではないかと私は感じております。 今この分析を行っているということでありますので、しっかりとした対策が取られることを求めたいと思いますが、まず何よりも児童手当から天引きではなくて就学援助制度の適用を促す、この立場で再度教育現場に周知徹底すべきと思いますので、再度教育長の答弁を求めます。 ◎知事(内堀雅雄君) 宮本議員の再質問にお答えいたします。 原子力損害対策協議会につきましては、これまでも繰り返し要望活動等を実施したほか、今月2日にも改めて国等に対して、本県の被害の実態、地域の実情を十分反映し、指針の見直しを適切に行うよう求めてまいりました。 引き続き、国及び東京電力に対し、損害の範囲を幅広く捉え、県民それぞれの被害の実態に見合った賠償を行うとともに、個別具体的な事情への対応も含め、誠意を持って取り組むよう求めてまいります。 ◎教育長(大沼博文君) 再質問にお答えいたします。 就学援助制度の活用を図るためには、その前提として、保護者に対し広く当該制度の存在を知っていただく必要があるものと考えております。 今後も市町村教育委員会における周知の取組が促進されるよう、県教育委員会として支援してまいります。 ○副議長(佐藤政隆君) これをもって、宮本しづえ君の質問を終わります。 通告により発言を許します。16番山口信雄君。(拍手)    (16番山口信雄君登壇) ◆16番(山口信雄君) 自由民主党議員会の山口信雄です。通告に従い、質問いたします。本日最後の登壇となりますので、よろしくお願いいたします。 初めに、高齢者の安全・安心な移動手段の確保について質問いたします。 先月19日、福島市内で97歳の高齢者が運転する軽自動車が歩道を歩いていた女性をはね、信号待ちをしていた自動車3台に衝突する交通事故が発生いたしました。はねられた女性は子供の目の前で亡くなるという大変痛ましい事故でありました。この加害者の高齢者は、運転免許証更新時の認知機能検査では問題はなかったとのことであります。 そして、この事故は全国的にも大きく報道され、多くの県民が自分のこととして、加害者、あるいは被害者の立場に置き換えて、地域交通が不便なエリアも多くあるという本県の現状もある中で様々なことを考えさせられたと思います。 例えば、離れて住む親が高齢ドライバーだとしたら、このまま運転をさせておいて大丈夫なのか、また運転をしなくなった場合の移動手段をどうすればよいのか、不安は尽きません。 運転免許証返納後の買物や通院等の移動支援の在り方については、誰もが避けられない大きな課題と認識しているはずです。 私は、高齢者や障がい者など、日常の生活における自らの移動に困難を抱えた方々の移動手段の確保を含めた安全・安心な交通環境の実現に向けて、全庁、全県を挙げて早急に取り組むべきであると考えております。 そこで、高齢者等の安全・安心な交通環境の実現にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。 次に、災害対策について質問いたします。 初めに、阿武隈川緊急治水対策についてであります。 令和元年東日本台風の被害を受けて、国は阿武隈川緊急治水対策プロジェクトを策定し、阿武隈川の改修に取り組んでいます。 中でも、特に乙字ケ滝上流の鏡石、矢吹両町と玉川村にまたがる、地形的にも蛇行して氾濫が起きやすいこの3か所の遊水地群の整備は、下流の須賀川市や郡山市、本宮市などの過去に甚大だった被害を軽減することができるようになるため、このプロジェクト全体に与える効果も大変大きいものと考えております。 しかしながら、この350ヘクタールに及ぶ広大な整備予定地には約150世帯の住宅や田畑等があり、これまでに住民説明会が5回開催され、地権者約800人の参加があり、移転の具体的な協議も一部始まっているとのことではありますが、計画的な事業用地の取得が重要な課題となっております。 そこで、県は阿武隈川上流遊水地群の整備において、国による事業用地の計画的な取得に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、特定都市河川の指定による浸水対策の強化についてであります。 近年の地球温暖化の影響により、全国各地で豪雨災害が頻発しています。郡山市においても同様に、令和元年東日本台風により甚大な被害を受け、過去においても、昭和61年8月、平成10年8月の豪雨など、幾度も大規模な洪水被害に見舞われております。 このような中、国においては昨年、特定都市河川浸水被害対策法をはじめ流域治水に関連する法改正を行い、流域治水関係制度の充実に取り組んでおり、来年度以降、河川沿いの浸水対策の強化を目的として、特定都市河川の指定を大幅に増やす予定であります。 これに指定されることになれば、流域の浸水危険性の高い地域を浸水被害防止区域に指定することが可能となり、建築が許可制になるなど様々な規制が行われることにはなりますが、住宅の集団移転や遊水地の整備などの国の支援を受けることが可能になります。 郡山市においては、県管理河川では逢瀬川と谷田川でこれまでに何度も洪水被害が発生していることから、特定都市河川の指定を受けて流域の洪水被害の軽減に取り組むべきと考えております。 そこで、県は逢瀬川及び谷田川の特定都市河川への指定を含む洪水被害の軽減対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、避難行動要支援者に係る市町村の個別計画作成の推進についてであります。 先月公表されました数100年から1,000年に1度の巨大地震による被害を想定した福島県地震・津波被害想定調査において、多くの人的、物的被害が発生するという結果が示されました。その一方で、迅速に避難をすることで被害を大幅に軽減できる結果も示されました。 しかしながら、災害時に自力で避難をすることが困難な高齢者や障がい者などの避難行動要支援者を迅速に避難させることが課題となっており、その解決に向けては個別避難計画の作成が必要であります。 県は、総合計画において2030年までに全59市町村の作成完了を目指すとしていますが、先日の報道発表によると、これまでに完了したのは6市町村にとどまっております。 特に人口の多い自治体や職員が少ない自治体では、それぞれの支援者確保の調整などの負担が大きいため、作成がなかなか進まない状況にあります。 そこで、県は避難行動要支援者に係る市町村の個別避難計画の作成をどのように支援していくのかお尋ねいたします。 次に、農業の振興について質問いたします。 初めに、配合飼料価格の高騰についてであります。 ウクライナ情勢や円安の影響により、家畜に与える配合飼料の価格高騰が続いています。 県では、6月補正予算で配合飼料価格安定制度の生産者負担金の一部を助成する対策を講じ、畜産農家の経営支援に取り組んでいるところでありますが、その後も配合飼料の価格は上昇しており、昨年は1トン当たり8万円台で推移していたものが今年7月には一気に10万円を超え、畜産農家の経営はさらに厳しい状況になっております。 このような状況を踏まえ、国は追加対策として今年度第3・4半期に購入する飼料を対象に、畜産農家に補●金を交付することを決定しましたが、この支援を受けてもなお生産者の負担は大きく、厳しい経営状況が続いていることから、県としてさらなる支援をする必要があると考えております。 そこで、県は配合飼料価格高騰の影響を受けている畜産農家をどのように支援していくのかお尋ねいたします。 次に、国産肥料の生産と利用の推進についてであります。 配合飼料と同様に化学肥料の国際相場も急騰しており、ほぼ輸入に頼る日本の農業経営は厳しさを増しております。今後の国際情勢を鑑みても、有事になれば、価格の問題だけでなく、化学肥料自体の輸入がストップすることも視野に入れる必要があります。 そのため、最近では国内での肥料づくりに注目が集まっており、例えば神戸市や佐賀市など、自治体が下水道汚泥に化学肥料の原料となるリンが含まれていることに着目して、リンを下水道汚泥から回収する施設の運営を開始しております。 国においても、農林水産省と国土交通省が肥料の国産化に向けて下水道汚泥や堆肥等の国内有機資源の利用を推進するための技術開発の実証等に対する支援を補正予算で計上したところであります。 私は、本県農業の安定した生産活動に向けては、高騰する化学肥料のみに頼らず、県内で生まれる有機性資源を活用した肥料の生産とその利用を推進することが重要な取組だと考えております。 そこで、県は有機性資源を活用した肥料の生産と利用の推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、学校教育の在り方について質問いたします。 GIGAスクール構想に基づき、1人1台端末が整備され、児童生徒のICTを活用した学習の機会が増える中、文部科学省は学習の主となる教科書についても一部デジタル教科書の導入を始めており、2024年の教科書改訂時に本格導入を目指すこととしております。 小中学校にデジタル教科書が導入されることで、児童生徒にとっては自分から学ぶことができる能動的な学習が促進されることが期待されており、教員にとっても児童生徒それぞれの学習状況が可視化され、1人1人に対する指導に時間を割くことができるため、以前と比べて教員の負担も軽減されると考えられております。 また、担任の教員が不在のときに他の教員でも対応しやすくなるため、教員不足の一助になるとも考えられます。 このように多くのメリットがあるデジタル教科書の導入でありますが、私はその前に、それを指導する教員がICT機器やデジタル教科書の操作方法に慣れ、授業の中はもちろん、それ以外においても有効に活用できる体制にすることが重要であると考えております。 そこで、県教育委員会はデジタル教科書の導入を踏まえ、公立小中学校教員のICT活用指導力の向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、鉄道の利用について質問いたします。 初めに、只見線の県内需要の開拓についてであります。 全線が開通してから2か月以上が経過したJR只見線は、紅葉の時期や国の観光振興策と重なり、連日乗客が座れないほどの盛況となっています。 現在は、増車や臨時列車の運行によりJRも対応しておりますが、この只見線の盛況が一過性のブームで終わらないように継続的な需要の開拓が必要であり、県外からの来訪だけではなく、県民に身近な路線として、地元から只見線を積極的に利用する、いわゆるマイクロツーリズムの機運を高めるべきと考えております。 また、赤字路線と言われる磐越西線や磐越東線、水郡線を乗り継いで只見線に向かうルートの旅行企画も有効だと考えており、そのためには週末や祝祭日にも確実に乗車できるように、只見線の予約専用の車両も新たに必要になると思っております。 今後観光シーズンを問わず利用客を増やすことができれば、将来的にも生活の足として只見線を守り、維持していくこともできると私は考えております。 そこで、県は県民の只見線の利用促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、郡山南拠点地区の新駅設置についてであります。 JR郡山駅から安積永盛駅の間、旧国鉄郡山操車場の再開発エリアである郡山南拠点地区は、ロードサイドの店舗が多く立地し、国道や高速道路へのアクセスも良好であるため、利便性の高い、まさに交通の結節点であります。 この地区には、県の施設ビッグパレットふくしまがあり、各種イベントが開催され、週末を中心に多くの人でにぎわっています。 また、令和7年度までには郡山合同庁舎がビッグパレットふくしまに隣接して移転する予定であるため、平日には約500人の県職員とビッグパレットふくしまなどの利用者が新たな人の流れをもたらし、この地区が郡山の副都心として、1週間を通したさらなる活性化が期待されております。 県としても、2つの大型施設を地区内に有することになることから、この地区に鉄道の新駅を設置することは、遠方からの来訪者の利便性の向上やカーボンゼロの観点からの公共交通の利用促進、地域活性化やまちづくりの観点からも大変有意義であり、郡山市と連携して推進すべきであると考えております。 そこで、郡山南拠点地区における新駅設置について、県の考えをお尋ねいたします。 次に、大阪・関西万博におけるインバウンド誘客について質問いたします。 2025年4月に55年ぶりとなる大阪での日本国際博覧会、大阪・関西万博が開催されます。 歴史や文化を誇る大阪、関西において、世界中の人々と異なる文化交流を通しての社会的課題と経済発展の両立を目的に掲げ、現在開催への準備が進められています。 この万博への全体の来場者数は2,800万人、そのうちインバウンドは350万人と見込まれています。 昨年の東京オリンピック2020において野球とソフトボール会場となった本県では、新型コロナ感染症の影響により外国からの受入れが全くかなわなかったこともあり、私は今回は何としても大阪空港との定期便を持つメリットを生かしながら、この機会に本県にインバウンドを呼び込まなければならないと考えております。 県営あづま球場などのオリンピックレガシーや東日本大震災後の本県の現在を見てもらうホープツーリズム、そして自然や農水産物、日本酒を含む食文化など、本県の魅力を万博開催のこの機にしっかりと世界に向けて発信しなければならないと思っております。 そこで、2025年日本国際博覧会の開催を契機としたインバウンド誘客について、県の考えをお尋ねいたします。 次に、猪苗代湖1周サイクリングモデルルート「イナイチ」について質問をいたします。 去る11月16日に郡山市で、猪苗代湖サイクリングルート整備推進協議会が開催されました。その会議では、イナイチのモデルルートが正式に決定になり、自転車利用者の拡大による今後の地域振興が期待されるところであります。 その一方で、私はかねてからルートを利用する方の安全を確保することが最も重要で、最優先にその対策を講じるべきであると考えております。 イナイチのモデルルートには、自転車も自動車も速度が上がる箇所があり、また見通しの悪いところや狭隘な部分もあります。 特に心配なのは、国道49号の長浜付近です。湖面に沿った道幅の狭いカーブが連続する箇所があり、そこを車2台が擦れ違うタイミングで自転車が重なると大変危険です。大型車両も通行していますから、その光景を思い浮かべるとざわざわしてしまいます。 私は、このイナイチのルートは自転車専用ではないため、例えば自動車の運転手にあらかじめ、ここはサイクリングコースになっていて、自転車が突然目の前に出てくることもあるということを看板や路面ペイントなどにより認識してもらうことができるようにしておくべきだと強く思っております。 万が一にも重大事故が起きてしまったら、重大でなくても事故が頻発するようなことがあったら、せっかくつくり上げたルートも喜ぶことができないものになってしまいます。事故が起きる前に、今できる対策をしっかりと講じておく必要があります。 そこで、県は猪苗代湖を1周する道路における自転車の安全な通行確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 最後に、新たな郡山合同庁舎について質問いたします。 ビッグパレットふくしまの北側に隣接して整備される新たな郡山合同庁舎の設計者選定のプロポーザルが昨年の11月に行われ、特別な提案を求めていた県民交流の促進のテーマについて、これまでの本県の合同庁舎にはない県民ホールを設置するという提案が採択されました。 そして、この県民ホールは、郡山市は音楽活動が盛んな地域であることから、コンサートや演劇のほか、展示会、講演会等、多目的の県民交流の場としての利用が想定されています。 そのため、ビッグパレットふくしまと隣接しているメリットを生かしつつ、週末の利用も可能とすることによって、私はこの地がこうした活動の起点となることを望んでおります。 他県の自治体庁舎内に設けられている県民ホールを見ても、県民交流の場として週末も利用できるところが多く見受けられます。 また、平日においても、県民ホールが多くの来庁者にとって様々なイベントが開催されるため、憩いの場としても重要なエリアになることが期待できます。 現在、県においては、来年の基本設計、実施設計に向けて鋭意進めていると思いますが、新たな試みとなる県民ホールは多くの方に利用しやすい形で整備されるべきであると考えております。 そこで、県は新たな郡山合同庁舎の県民ホールをどのように整備していくのかお尋ねいたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(佐藤政隆君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 山口議員の御質問にお答えいたします。 高齢者等の安全・安心な交通環境の実現についてであります。 高齢者や障がい者などの日常生活の移動に困難を抱える方々にとって、安全に安心して移動できる環境の整備は、誰もが生き生きと暮らせる社会の実現に向け、重要な課題であります。 このため、県として地域鉄道や広域バス路線などを維持するための補助や市町村によるデマンド型交通等への支援を行い、移動手段の確保を図るとともに、高齢者等の交通事故防止対策や公共交通機関のバリアフリー化などに取り組んでまいりました。 人口減少や高齢化の進展により、地域公共交通をめぐる環境は大きく変化しており、多様な移動サービスが求められる中、例えば南会津町でのデマンド型乗合タクシーは、住民の皆さんの理解と協力の下、利用者が伸びており、また喜多方市でのAIを活用したオンデマンド交通の実証事業など、新たな取組もスタートしております。 今後とも、市町村や交通事業者による地域公共交通の維持確保を支援するとともに、警察や福祉部門などとも連携しながら、高齢者等の安全・安心な交通環境の実現に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。    (総務部長安齋浩記君登壇) ◎総務部長(安齋浩記君) お答えいたします。 新たな郡山合同庁舎の県民ホールにつきましては、来庁者の待合場所としての機能に加え、県、市町村の情報発信や県産品の展示など、県民交流の場として活用できるよう整備を進めることとしております。 引き続き、県民の利便性への配慮や安全・安心の拠点、社会環境の変化への柔軟な対応など基本的な考え方の下、基本設計等に取り組んでまいります。    (危機管理部長渡辺 仁君登壇) ◎危機管理部長(渡辺仁君) お答えいたします。 避難行動要支援者の個別避難計画につきましては、市町村で早期に作成されるよう、専門家による先進事例等を活用した研修会を開催するとともに、計画の作成手順や避難の方法など、作成に当たって検討すべき事項をまとめた手引を配布したところです。 引き続き、個別相談会で要支援者の課題に応じてきめ細かに助言するなど、市町村の計画作成を積極的に支援してまいります。    (生活環境部長久保克昌君登壇) ◎生活環境部長(久保克昌君) お答えいたします。 県民の只見線利用につきましては、只見線が本県の宝として親しまれ、多くの方に利用していただくことが重要であります。 このため、県内の小学生等を対象とした学習列車の運行をはじめ中通り地方でのPRイベントなどに取り組んでおり、今後も市町村と連携しながら、特産品の開発や高校生によるアイデア提案などを通して利活用の機運を県内に広め、県民の皆さんにぜひ乗ってみたいと思っていただけるよう積極的に取り組んでまいります。 次に、郡山南拠点地区における新駅設置につきましては、地元自治体等からの要望を踏まえ、福島県鉄道活性化対策協議会を通じ、JR東日本に対して要望活動を行っているところであります。 同社におきましては、利用客の現状や将来見通しなどを基に判断されるものと考えておりますが、今後とも郡山市と連携を図りながら要望活動を行ってまいります。    (農林水産部長小柴宏幸君登壇) ◎農林水産部長(小柴宏幸君) お答えいたします。 配合飼料価格高騰の影響を受けている畜産農家への支援につきましては、農家経営が極めて厳しい状況であることから、国の支援内容を踏まえ、県独自の支援として、配合飼料価格安定制度に加入する農家に対し、今年7月以降の負担増加分の一部を助成する経費を12月補正予算に計上しました。 今後も飼料価格の動向を注視しながら、畜産農家が安心して経営を継続できるよう、しっかりと支援してまいります。 次に、有機性資源を活用した肥料につきましては、良質な堆肥の生産に向け、今年度から家畜排せつ物の肥料成分の分析費用の支援や牛ふん堆肥をペレット化する技術開発に取り組むとともに、耕畜連携による堆肥の利用を促進しております。 今後は、家畜排せつ物や集落排水汚泥等、有機性資源の量や利用実態等を調査し、活用に向けた方策を検討するなど、有機性資源を活用した肥料の生産と利用の拡大に取り組んでまいります。    (土木部長曳地利光君登壇) ◎土木部長(曳地利光君) お答えいたします。 阿武隈川上流遊水地群に関する用地の取得につきましては、国が本年9月に用地補償や集団移転等に関する地元説明会を行い、現在個別の交渉を進めているところであります。 県といたしましては、用地の取得が計画的に進むよう、集団移転先の整備に関する法令上の手続に速やかに対応するとともに、営農の継続等、地権者が抱える課題の解決を図るなど、国や町村と一体となって取り組んでまいります。 次に、逢瀬川及び谷田川の洪水被害の軽減対策につきましては、本年10月に国、県、流域内の市村等で構成する検討会を設置し、河川の現状や流域の特性等を踏まえた水害対策の検討に着手したところであります。 両河川は、市街地での大規模な改修が難しいことから、今後は流域内での雨水の流出を抑制する対策を義務づけることができる特定都市河川への指定も含めた新たな対策を検討するなど、国や関係市村等と連携し、洪水被害の軽減に取り組んでまいります。 次に、猪苗代湖を1周する道路につきましては、自転車の通行位置を明示する路面標示を行うことにより、自転車の安全な通行確保に努めているところであります。 今後は、さらなる安全対策として、ルートを案内する標識を年度内に設置するとともに、運転者に注意を促す看板の設置や路面標示の増設など、国や地元市町等と連携しながら、安全な通行確保にしっかりと取り組んでまいります。    (観光交流局長市村尊広君登壇) ◎観光交流局長(市村尊広君) お答えいたします。 2025年日本国際博覧会の開催を契機としたインバウンド誘客につきましては、本県が誇る日本酒をはじめとする食、春の桜が彩る美しい景色、幕末の歴史や侍文化など、外国人観光客に関心の高い本県ならではの魅力を発信し、大阪定期路線を活用した誘客に向け、関係者と連携しながら着実に準備を進めてまいる考えであります。    (教育長大沼博文君登壇) ◎教育長(大沼博文君) お答えいたします。 公立小中学校教員のICT活用指導力につきましては、ICT教材と同様に利用が始まったデジタル教科書についても教員が活用法を学ぶ研修機会を設け、スキルの向上を図ることが必要であると考えております。 このため、デジタル教科書や授業支援アプリ、AIドリルなどを効果的に用いたモデル校の実践事例や研究成果を全県に発信しているところであり、今後も教員のICT活用指導力の向上に努めてまいります。 ○副議長(佐藤政隆君) これをもって、山口信雄君の質問を終わります。 本日は、以上をもって議事を終わります。 明12月14日は、定刻より会議を開きます。 議事日程は、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第69号までに対する質疑並びに請願撤回の件であります。 これをもって、散会いたします。    午後4時7分散会...